2022年8月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は23万4,143台、前年比は88.8%でした。ブランド別ではトヨタ(70.7%)、ダイハツ(78.7%)、レクサス(91.9%)と生産体制の問題が続くトヨタ系3社に対して、三菱(134.1%)、マツダ(119.8%)、日産(117.3%)、スバル(115.8%)、スズキ(101.7%)は前年を上回りました。
軽自動車を除く8月の新車販売ランキングでは、トヨタヤリスの首位は揺るがなかったものの、2位には日産ノート、5位日産セレナ、6位ホンダフリード、7位ホンダフィット、9位にホンダステップワゴンが入り、前月同様トヨタ勢以外がTOP10の半数を占めました。軽自動車(乗用車)は、ホンダN-BOXが大差で王座を守り、スズキスペーシアがダイハツムーヴと入れ替わりで2位に返り咲きました。注目の軽EV・日産サクラは10位にランクアップしています。
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今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
国産乗用車販売台数 2022年8月(軽自動車を除く)
順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 ヤリス トヨタ 14,041 76.0
2 ノート 日産 7,871 110.0
3 カローラ トヨタ 7,334 103.2
4 ライズ トヨタ 5,733 96.8
5 セレナ 日産 5,275 122.6
6 フリード ホンダ 5,199 100.0
7 フィット ホンダ 5,148 124.9
8 ルーミー トヨタ 4,924 47.6
9 ステップワゴン ホンダ 4,614 158.7
10 アクア トヨタ 4,456 47.2
11 ノア トヨタ 3,766 122.3
12 ソリオ スズキ 3,680 129.6
13 ヴェゼル ホンダ 3,514 79.8
14 ヴォクシー トヨタ 3,370 79.4
15 ハリアー トヨタ 3,271 65.6
16 ランドクルーザーW トヨタ 2,869 112.0
17 シエンタ トヨタ 2,796 83.4
18 CX-5 マツダ 2,618 213.2
19 パッソ トヨタ 2,253 95.4
20 MAZDA2 マツダ 2,167 84.4
21 エクストレイル 日産 2,151 262.3
22 アルファード トヨタ 2,133 32.9
22 レヴォーグ SUBARU 1,986 108.8
24 RAV4 トヨタ 1,964 51.3
25 プリウス トヨタ 1,936 51.0
26 スイフト スズキ 1,816 178.0
27 アウトランダー 三菱 1,619 2490.8
28 ロッキー ダイハツ 1,578 104.7
29 フォレスター SUBARU 1,495 128.2
30 インプレッサ SUBARU 1,329 61.8
31 デリカD5 三菱 1,318 91.7
32 CX-30 マツダ 1,211 159.3
33 リーフ 日産 1,142 89.1
34 シャトル ホンダ 1,076 127.5
35 クロスビー スズキ 1,015 144.6
36 CX-8 マツダ 986 127.9
36 C-HR トヨタ 916 70.2
38 ジムニーW スズキ 899 162.6
39 ロードスター マツダ 899 151.9
40 トール ダイハツ 864 86.7
41 MAZDA3 マツダ 810 91.0
42 GR86 トヨタ 793
43 レガシィ SUBARU 777
44 ハイエースW トヨタ 731 116.2
45 シビック ホンダ 714 106.4
46 IS300H レクサス 646 197.6
47 キックス 日産 601 27.9
48 エクリプスクロス 三菱 574 133.2
49 WRX SUBARU 529
50 CX-60 マツダ 514
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。
※ 前年比欄について、前年の台数がない場合や、前年比の桁数が5桁を超える場合は空白で表示しています。
トヨタの不調が続くなか、三菱、スバル、マツダなどは上向き
9月29日発表の自動車メーカー各社のリリースを見ると、トヨタの国内販売(含軽)が12カ月連続の前年割れであったり、登録車が前年同月比-3.5%と前年実績を下回った日産など、相変わらず厳しい状況が続いている。その一方で5月以来4ヵ月連続前年比増の三菱(普通/小型/軽を合わせて前年比は134.1%)、登録車の販売台数が3ヵ月連続前年超えのスバル、乗用車が前年比+19.7%となり前年同月差で+1.7ポイントとなったマツダなど上向きの明るい兆しもなくはない。とはいえ半導体不足、新型コロナウイルス感染拡大などが収束した訳ではなく、先行きが見通せない状況が暫くは続くのだろう。
8月の乗用車全体の販売台数は前年比88.8%と、復調を思わせた7月の93.1%に対して後退した形となった。9メーカー中5社が前年比を上回ったものの、残り4社のうちでもっとも販売台数の多いトヨタが70.7%と前年比で大きく割れた数字となった影響が大といったところか。
前年比プラスが過半数に
各車の販売台数の数字も、7月に対し軒並み台数を落とした車種が大半といえる状況。なかにはトヨタカローラのように、7月の1万3,054台から8月には7,334台と1万台を大きく割り込む数字になった例も。ただしこのカローラもそうだが、台数は落としているものの、前年比がプラスの車種は50車種中で26車種あり、うち上位10車種中では6車種あるものの、前年比を上回っているのが必ずしも上位の車種に限らない点は、いかに2021年の新車販売が今以上に辛い状況だったかがわかる。
日産ノートがついに2位、ホンダフリードとトヨタシエンタの動向も注目
順位を見ると1位は7月と変わらずヤリスだが、前述のカローラ同様、7月の1万8,679台から1万4,041台に台数は落とし、前年比も76.0%に留まった。2位は7月に3位だった日産ノートがカローラと入れ替わり、現行型としては最上位につけた。日産車ではもう1台ミニバンのセレナが7月より順位をひとつ上げ5位となっている。8月は上位10車種中、トヨタ車は5車種に留まった結果で、ほかにホンダ車が3車種入っており、上位から見ると6位のフリード、7位のフィット、そして9位のステップワゴンという顔ぶれ。
ただし繰り返しになるが、10位までの車種の販売台数は、すべて7月に対して台数を落としている。ホンダ車ではフリードが台数でいえば1番人気ということになるが、強力なライバル車の新型シエンタの猛攻にどれだけ耐えられるか、気になるところ。シエンタは7月の29位から17位にポンと順位を上げている。
順位の変動が激しいSUV、上昇機運の新型エクストレイル、アウトランダー
台数を見ると、ここにきてハリアーが7月の1,680台(31位)から3,271台(15位)に大きく伸ばした。SUV系ではその上のヴェゼル(13位/3,514台)があるが(ヤリスクロス、カローラクロス単独の台数はこの統計では見えない)、マツダCX-5、CX-8がそれぞれ7月より順位を上げるなど、SUV系の車種は登場時期などにかかわらず、順位、台数の変動が大きい。RAV4も8月は24位に順位を落としているが、改良が入ればまた順位が上昇することも考えられる。もちろん新型に切り替わったエクストレイル、アウトランダー、それから8月も16位につけるランドクルーザーなどの動きも見逃せない。
そのほかロードスター(39位)、GR86(42位)、WRX(49位)のスポーツモデルが、案外と手堅く安定した順位と台数に収まっているようにも感じる。
軽乗用車販売台数 2022年8月
車名 ブランド名 台数 前年比
1 N-BOX ホンダ 11,130 84.1
2 スペーシア スズキ 6,751 72.6
3 ムーヴ ダイハツ 6,601 95.7
4 ワゴンR スズキ 5,514 105.3
5 タント ダイハツ 5,120 62.3
6 ルークス 日産 4,926 103.9
7 アルト スズキ 4,803 140.6
8 ハスラー スズキ 4,733 65.3
9 タフト ダイハツ 3,809 77.9
10 サクラ 日産 3,523 2022年6月発売
11 ジムニー スズキ 3,347 184.7
12 ミラ ダイハツ 3,318 73.5
13 N-WGN ホンダ 2,474 73.0
14 デイズ 日産 2,203 84.9
15 eK 三菱 1,847 81.7
※ 車名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
スズキスペーシアとダイハツムーヴの激しい2位争い
8月は軽自動車も全体に台数を落とした。ホンダN-BOXが1位だったのは変わらないが、台数は7月の1万7,105台から比べると1万1,130台と大きく落とし、7月に続き台数でヤリスに一歩譲る形となった。
一方でスズキスペーシアがダイハツムーヴから2位の座を奪い返したのも見逃せない。ムーヴは新型ムーヴキャンバスで巻き返しを図ってくることが十分に予想される。スペーシアも追加モデルのスペーシアベースを登場させたが、こちらは商用車登録であり、乗用車の統計には台数はカウントされない。ちなみに8月のスペーシアベースの台数は961台、同じ商用車登録のホンダN-VANは2,301台の台数。こちらでも乗用車同様の競り合いが始まるかどうか?
スズキアルトがようやく本調子に?日産サクラもTOP10入り
軽自動車ではほかに前年比140.6%のアルトが、ようやく勢いがついてきたのかどうか。それよりも同じスズキのジムニーは、前年比184.7%で、台数も8月は3,347台と、ライバル不在の中、コンスタントな数字を出し続けている。納期の問題にも鋭意取り組んでいるとのこと。それと何といっても6月に発売されたEVの日産サクラが3,523台でトップ10入りを果たした。7月の台数(3,319台)から大きな変化は見られないが、動向に注目したい。
※記事の内容は2022年9月時点の情報で制作しています。
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みんなのコメント
e:HEVに切り替わってから人気下降止まらんね。確かにe:HEVのウソATは酷いよ。エンジン空ぶかし→加速息切れ→エンジン空ぶかし→加速息切れ→エンジン空ぶかし→加速息切れ。これで変速してるとホンダが居直る日が来たことはショック。無駄で退屈な車を作る会社に成り果てるとは。もう軽自動車専門でいいと思う。
ちっとも見掛けないというねw
まるでオリコンランキングで
上位を自慢してる割には知られていない
アイドルのCDみたいだ。