いま最も売れてるのはSUVじゃなくて…注目の新型が続く熱いカテゴリーとは?
掲載 carview! 文:山本 晋也 82
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2022年の新車販売は、登録車が256万3184台(前年比91.7%)、軽自動車が163万8078台(同99.1%)でした。これは商用車も含む数字で、合計すると420万1262台となります。
日本の自動車マーケットの最盛期はバブル期の1990年で、その当時は年間の新車販売が780万台に迫っていました。コロナ禍や半導体不足の影響を受けているとはいえ、ずいぶん縮小してしまったと感じます。
今回は最新の市場のトレンドはどうなっているのか、2022年に売れたクルマを振り返ってみたいと思います。
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まず、上記の統計データから登録車と軽自動車の比率を計算すると61:39となります。わかりやすく表現すると、「新車の5台に2台は軽自動車」というわけです。そうした軽自動車人気をけん引しているのは、日本でもっとも売れているクルマといわれることも多い「ホンダN-BOX」であることは言うまでもないでしょう。
<上の写真:ホンダ N-BOX>2022年の新車販売データを登録車と軽自動車で合算、通称名別に並べると次のようになります。※全軽自協・自販連の統計データを参考に集計
1位:ホンダ N-BOX|20万2197台
2位:トヨタ ヤリス|16万8557台
3位:トヨタ カローラ|13万1548台
4位:日産 ノート|11万113台
5位:トヨタ ルーミー|10万9236台
6位:ダイハツ タント|10万7810台
7位:スズキ スペーシア|10万206台
8位:ダイハツ ムーヴ|9万4837台
9位:トヨタ ライズ|8万3620台
10位:スズキ ワゴンR|8万2213台
トップ10は登録車と軽自動車が5モデルずつランクイン。トップのN-BOXは別格として、軽自動車では年間販売2位のタントが、登録車との合算ランキングでは6位になってしまうあたり、61:39という新車販売比率につながっているといえそうです。
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<上の写真:ダイハツ タントカスタム>
なお、このランキングは乗用車に限定した統計となっています。スペーシアについては商用バージョンのスペーシアベースも存在していますが、上記の数値にはスペーシアベースの販売台数(6255台)は含まれていません。
一方、トヨタのヤリスとカローラにはSUVモデルの「ヤリスクロス」/「カローラクロス」やスポーツモデルの「GRヤリス」/「GRカローラ」も含まれますが、このデータではそうしたバリエーションをすべて合わせた数字となっています。※カローラの場合はワゴンボディの「カローラツーリング」や「カローラフィールダー」、ハッチバックの「カローラスポーツ」、旧セダンの「カローラアクシオ」も含む。
<上の写真:トヨタ ヤリスクロス>
<上の写真:トヨタ カローラクロス>
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その意味では、正しく分析するにはデータをより細かく精査していく必要はあるのですが、少なくともこのランキングからわかることは「クロスオーバーSUVブームといいながら、SUVはトップ10には入っていない」という事実です。ヤリスクロス、カローラクロスも含んだモデルとして2位、3位にランクインしていますが、販売の大半がそうしたSUVモデルというわけではありません。
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同様に、「ムーヴ」や「ワゴンR」といった後席ヒンジドアのボディ(ワゴンR/ムーヴ)とスライドドアのボディ(ワゴンRスマイル/ムーヴキャンバス)の2つのバリエーションをもつモデルも合計した数字です。こちらもボディ形状の異なる同じ名前のモデルが合算されているわけですが、やや人気が衰えてきた軽ハイトワゴンがトップ10に入っている理由として、スライドドアモデルの販売台数が効いているのは間違いありません。
<上の写真:ダイハツ ムーヴキャンバス>
<上の写真:スズキ ワゴンRスマイル>
実際、N-BOXをはじめトップ10に入っている軽自動車はどれも後席スライドドアをもっているといえます。登録車でもルーミーは後席スライドドアです。一般論としてスライドドアボディはコストがかかるため車両価格は高くなってしまうのですが、ドライバーの動線や電動開閉といった利便性においては圧倒的アドバンテージがあるといえます。
軽自動車で惜しくもトップ10外となったモデルが「日産 ルークス」、同様に登録車のランキングでは6位となった「ホンダ フリード」の両モデルが後席スライドドアであることを思えば「取り回しに優位な小さなボディで、使い勝手が良いスライドドア車」にニーズがあるといえそうです。
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<上の写真:三菱 デリカミニ>
まさに、こうした条件を満たすニューモデルとして、三菱自動車は軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」を2023年5月に市場投入する予定となっています。
さらに定番モデルとなっているN-BOXやフリード、ムーヴのフルモデルチェンジも近づいているとされます。
強いニーズによってコンパクトなスライドドア車カテゴリーに新鮮味のあるモデル選択肢が増えることで、日本の新車市場が盛り上がっていくことが期待できます。軽スーパーハイトワゴンや、プチバンと呼ばれるコンパクトなスライドドア車にますます注目です。
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