【何台知ってる?】超個性的。いいと思ったけど…出したら流行らなかったクルマ5選!
掲載 carview! 42
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エンジニア達の血がにじむような努力の末に、輝かしいスポットライトを浴びてデビューする数々の新車たち。
我々クルマ好きの注目を集めるのみならず、新聞の紙面を賑わすほど注目されるニューモデルは、そのどれもが作り手の熱い想いを背負って世に出てくる。
ただ、残念ながら中には「これは売れる」と思われたのに、人知れず姿を消してしまうモデルがあるのも事実。
そこで今回は、いいと思ったんだけど、出したら流行らなかったクルマ5選と題し、悲運のモデルを5台紹介したい。
まずは、絶対王者トヨタの力を持ってしてもヒットが難しかった「iQ」。
<写真:トヨタ iQ>
2008年11月に発売されたこの超小型ハッチバックは、世界最小レベルの3.9mという全長で、都会での街乗りにピッタリな取り回しの良さを実現していた。
さらに、「マイクロプレミアムコンパクト」と銘打ち、それまでの安かろう悪かろうというコンパクトカーとは一線を画した上級装備をもって登場した。
例えば、車格の割に大きい15インチホイールを装備していたほか、グレードによってはレザーシートまで奢られていた。
こうした点が評価されてか、スーパーカーメーカー「アストンマーチン」にOEM供給され、同ブランド初のコンパクトカー「シグネット」として販売されたことも耳目を集めた。
ただ、車格の割に割高だったことや、全長を切り詰めるため普通に座れるのは大人3人と子供1人というレイアウトが割り切り過ぎだったのか、売れ行きは今ひとつで、2016年には惜しまれながらカタログ落ちとなってしまった。
企画は斬新で唯一無二の存在だっただけに、今でも一定数のファンがいるiQ。いつかリバイバルをはたす時は来るのか。
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ホンダからはコンパクトミニバン「エディックス」に登場願おう。
<写真:ホンダ エディックス>
2004年にデビューした同モデルは見た目こそ一般的なトールワゴンだが、室内のシートレイアウトが個性満点で、何と横に3席並べたシートを2列配した3×2レイアウトを採用。
この風変わりな配席のメリットは、シートを倒すことなく全員が乗り降りできることに加え、乗員間のコミュニケーションが密になるという点にもあった。
さらに、幅広ボディゆえ必然的にワイドトレッドとなり、操縦安定性も良好になるというおまけまで付いていたのだ。
良いことずくめに思えるエディックスのコンセプトだが、残念ながら肝心の横3名乗車がユーザーには響かず。
たしかに、真ん中の席はスライドするとはいえ居住性が劣るし、家族なら良いが他人を乗せるには気を遣ってしまう。結果として、2009年には早々に終売となった。
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<写真:日産 NXクーペ>
「何それ?」という反応が今にも聞こえてきそうだが、NXクーペはバブル絶頂にほど近い1990年にデビューした2ドアクーペで、米国市場をメインターゲットに企画されたモデルだ。
空前の好景気の中、贅沢なクーペならバカ売れするはずなのだが、このNXクーペは当時流行のセクレタリーカー(若い女性をターゲットとした安価なコンパクトカー)として小型セダン「サニー」をベースに開発された。
今ではそのコンセプト自体、批判されそうだが、秘書として働く若い女性がターゲットだったので、クーペと言っても小柄かつ動力性能も穏やかだったのだ。
折しも、日本ではコンパクトクーペは「スポーツ性能が第一」という時代。NXクーペはヒットには至らず、1994年に静かに消えていった。
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バブル期のあだ花という共通点があるのは初代「三菱エクリプス」。
<写真:三菱 エクリプス>
1990年に国内販売が開始された同車は、最高出力200psとハイパワーな2.0Lターボエンジンを搭載したスポーツクーペで、三菱とクライスラーが米国で設立したダイアモンド・スター・モーターズが生産を担当。
米国で生産される逆輸入車ゆえに何と日本国内でも左ハンドル車のみの設定となっていた。
そのスタイリングは低く構えたスポーティなフォルムに、当時流行したリトラクタブルヘッドライトという間違いなくカッコいいものだったが、国内販売は低迷。トヨタ スープラ、日産フェアレディZなど強力なライバルの存在を脇に置いても、国内ブランド車にも関わらず、左ハンドルのみという点に問題があったか。
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<写真:ダイハツ ミゼットII>
三輪自動車として一時代を築いたレジェンド「ミゼット」の2世を名乗ったこの軽トラックは1996年に登場。軽規格より更に全長マイナス50cm、全幅マイナス10cmという極小ボディが特徴だった。
1人乗り用と割り切った(後に2人乗りも登場)コンパクトなキャビンに、外付けヘッドライトを装着し、タイヤを納めるべく大きく張り出したフェンダーを取り付けたそのフォルムは、まさに個性の塊。
また、戦後に大衆生活を支えたミゼットの名を冠するにふさわしく、スタート価格は46.9万円と当時としても圧倒的に廉価だった。
ただ、余裕の乏しい室内空間や個性的過ぎるルックスが響いたか、販売はそれ程伸びず、既存モデルからかけ離れたボディ形状ゆえに製造コストが嵩んだこともあってか、2001年に後継モデルがないまま生産終了を迎えた。
いいと思ったんだけど……、なクルマ5選。そのどれもが他にない個性を持っていることは確かで、ヒットには至らなかったものの、一定のファンの心を鷲掴みにしたのも事実。レアであるがゆえに、その希少性からも価値あるクルマだったことは間違いない。
クルマの個性が薄れてしまったいまの時代にこそ、蘇ってもらいたい。そんな声も聞こえてきそうだ。
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<終わり>
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