シトロエンC5、“ハイドロ”の真価は日本でこそ
掲載 更新 carview! 文:佐藤 久実/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:佐藤 久実/写真:篠原 晃一
シトロエンの大きな特徴のひとつである「ハイドラクティブIIIプラスサスペンション」。今や上級モデルにおいてエアサスは珍しくないが、シトロエンはかなり古くから伝統的にハイドロニューマチックサスペンションを採用している。金属製の球体を用いた独特の構造だが、乗り味もまさに、ボールの上に乗っかっているような雰囲気だ。つまり、まったく角がない。
これが実に心地良い。ストローク感が豊かで、荒れた路面だろうが高速の継ぎ目だろうが、大きな入力に対してもフワッと何事もないかのようにいなす。それでいて、ボールと異なるのは上下動がいつまでも残ることなく、スーッと収束する点だ。アイポイントが常に動いていると運転していて疲れるが、C5はボディの動きが抑えられていて、サスペンションがしっかり動いてくれるからロングドライブも快適にこなせる。
センターコンソールにあるスポーツスイッチを押すと、動きはさらに抑えられるが、硬くなるとか締まる、という感覚はまったくない。高速道路を走っていると違いがわかりやすいが、印象としては動きが「すっきりする」感じだ。
ステアリングも、どちらかといえばスローなギヤ比だと思うのだが、切り込んでいくとジワジワとサスペンションと呼応していく感覚がある。ゆったりしていながら、切っても曲がらない、ということはなく、ワインディングもスイスイと気持ちよく走れる。エンジンのダウンサイジングによりフロントが軽くなったのも奏功しているようだ。
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