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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記 第2部「少年探偵団編」のVol.37──日産スカイラインGT-R(初代)

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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記 第2部「少年探偵団編」のVol.37──日産スカイラインGT-R(初代)

1970年~1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は、自動車評論家の小川フミオ(少年O)と『GQ JAPAN』編集部のイナガキ(少年I)のふたり。今回は極上の初代日産スカイラインGT-Rに迫る!

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少年I:今回のヤングタイマー探偵団は、日本の名車中の名車といわれる日産の初代スカイラインGT-Rをとりあげます!

少年O:C10型スカイラインに設定されたスポーツモデルですね。角張ったボディ形状ゆえ“ハコスカ”と呼ばれる3代目スカイラインがベースです。

探偵:ヤングタイマーとしてはちょっと古すぎますかね……。でも、個人的にどうしても取材したかったのです。

少年O:たしかに、1968年に登場したシリーズですから。

探偵:でも、いまの20代におけるハコスカ含めた旧車の人気ぶりを見ると、ヤングタイマーと言って言えなくもないような気もしますね。

少年O:人気のせいか、ちょっと古いクルマの価格の急騰ぶりはものすごいですね。C10型はこれに骨董的な価値もくわわって、いい状態のものは5000万円超えとかありますね。GT-RそのものでなくGT-R仕様も1000万円台ですから。

探偵:過熱してますねぇ。

少年O:中古車市場は、何が正しくて何がそうでないか、わかりにくい。とくに、GT-Rのようなスポーツモデルは、それをどう解釈するかによって楽しみ方が変わります。オーナーによっては、さらにスポイラーを追加したり、タイヤやブレーキや、なかにはエンジンをいじったりと、自分の解釈をくわえてきている個体が多いですね。オリジナルとは異なりますが、それがいけないとは言いません。それがスポーツカーの楽しさのひとつですから。

少年I:でも、今回の1972型のオーナーの佐藤健太さん(46)の場合、とにかくオリジナルの状態を維持することに気をくばっていらっしゃいます。

探偵:たしかに、ボディの一部は塗装の細かいひび割れがあったりしますね。

少年O:あれ、いいですよね。塗装し直していていないことの証明。フェラーリのレーシングモデルのオーナーとかだと、タイヤとこすれて塗装がはげてアルミニウムがむき出しになった状態を、そのまま維持することに価値を見出している人もいます。

少年I:カメラでいうと、オールドライカのオーナーが、ブラックペイントがはげて真鍮の地金がむき出しになっているのをよしとするのと似ていますかね。

少年O:ライカの場合、途中から、真鍮にブラック塗装って仕上げはやめたものの、最近のモデルはあえて真鍮を使ったブラックペイント仕様を出すなど、コトは複雑です。

少年I:オールドライカも愛する佐藤さんの場合は、古く見えればいいってもんじゃない派でしょう。13年ぐらい前に、いまのクルマを前オーナーから譲り受けたそうです。もともと欲しかったクルマだそうですが、オリジナルの状態をほぼ完璧に保っていたのが、購入決定の動機になったそうです。

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少年I:上手なメカニックがずっとメインテナンスしてくれていたから、とのことです。

探偵:エンジンルームも年代相応だけど清潔という感じだし、内装はなんだか新車みたいです。

少年I:ボロボロになったものをあとでぴかぴかにレストアするのでなく、大事に使われてきたものに愛着を持つ、と、オーナーの佐藤さんはおっしゃいます。“きれい”よりも“大事”を重視したいそうです。

探偵:ところでハコスカGT-Rって、4ドアと2ドアとがありますよね?

少年O:当初は4ドアで、1970年にスカイラインシリーズにマイナーチェンジがあったとき、ハードトップに代わりました。通常、レース仕様はボディ剛性の高さから4ドアが好まれるんですが、このGT-Rの場合、ハードトップはホイールベースが70mmも短縮されていたため、人気が高いです。

探偵:キャビンのかたちもハードトップはスタイリッシュですね。

少年O:ホイールアーチのカバー、いわゆるオーバーフェンダーがあえてサーフィンラインと呼ばれた独特のキャラクターラインをさえぎっているのも、スタイルより機能を優先する感じで、スポーツセダンとしてはカッコいいんですよね。

探偵:乗らせていただくと、なんというか、ものすごい“ダイレクト”な感覚です。早いセダンを作りたいんだ! という作り手の思いがびしびし伝わってきました。

少年I:佐藤さんはほかにもスポーツカーを所有なさっていて、そのよさは、作り手がなにを表現したかったか? どんなクルマを作りたいと思っていたか? そういうことを感じとりやすいところ、とおっしゃっています。

探偵:そういうひとが好むクルマなんだとよくわかります。しかしステアリング・ホイールは重いです。小さなコーナーでは腕の力を使って操作しないとならないんですね。

少年O:当時、スポーツカーは腕力のあるひとの乗りものだったってわかりますよね。まさにスポーツ!

生きているようなクルマ探偵:もうひとつびっくりしたのが、ブレーキです。思いっきり踏まないと効かないんですね。

少年O:以前、日本の老舗自動車雑誌の初代編集長が、アストンマーティン「DB4GTザガート」のブレーキについて語っていたのを思い出します。「ブレーキは全身の力を込めて踏まないといけないんで、フルブレーキングするとからだが浮き上がって、頭が天井にぶつかりそうになるんだよ(笑)」と、おっしゃっていました。

探偵:それはすごい。

少年O:古いクルマの最大の問題はブレーキです。古いクルマに理解のある人の多い欧米では、高速道路などで、古いクルマの前に急な割り込みとかをする人が少ないようです。

探偵:なにはともあれ、6気筒エンジンのレスポンスとか、軽快な車体の動きとか、運転していると、生きているようなクルマです。オーナーの佐藤さんは、このあとのいわゆる“ケンメリ”のGT-Rとか、あるいは「フェアレディZ」とかに興味ないんでしょうか。

少年I:ケンメリは改造された個体ばかりで、いまのところ理想のクルマにめぐり会えていないそうです。フェアレディは1973年型の「240ZG」をお持ちとのことです。

探偵:うらやましいです。

少年I:佐藤さんは、今回のGT-Rでクラシックカーのイベントにも参加していて、思い出ぶかいのは、2013年に台湾で開催された「ラリーニッポン2013 in TAIWAN」にも出走。台北からスタートし、台中や台南、高雄、そして台東と花蓮を経て宜蘭、そして台北に戻る約1000kmの行程を走ったこととおっしゃいます。台湾各地では、GT-Rのことを知っているひとも多くて、いたるところで手を振ってもらったそうです。

探偵:いい話ですね。手を振ってもらえる、というのは、クルマ乗りにとって、もっともうれしいはずですよ。初代スカイラインGT-Rはやっぱり素晴らしいヤングタイマーですね!

俳優・永山絢斗(ながやまけんと)1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。出演情報/

出演情報/
・映画『LOVE LIFE』2022年9月9日(金)全国ロードショー
・ドラマ池波正太郎生誕100年BS特集時代劇「まんぞくまんぞく」(BSプレミアム)2022年12月30日(金)20時~21時28分
・ドラマ「リバーサル オーケストラ」(日本テレビ)2023年1月11(水)22時スタート

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BMW 3.0CSi
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まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・新宮利彦 撮影協力・川崎キングスカイフロント東急REIホテル

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みんなのコメント

4件
  • 永山って聞くと瑛太思い出す人σ(・・ )
  • はい古すぎます。排気ガスの汚い53年規制前の車は登録できないようにしましょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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