ミニクロスオーバー試乗 ミニの魅力は健在か?
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:篠原 晃一
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というわけで、全幅が1.8mに迫るほどの立派なボディを持つに至ったクルマを果たして「ミニ」と呼ぶべきだろうか、という意見があるのはたしかで、僕も個人的にはその見解に賛同したい。もはや「MINI」の4文字は本来の意味、つまり「極限的に小さいクルマ」であることから遊離した、ブランド記号にすぎないということだろう。
それはそれとして、これまでのどの5ドアとも違う独特の造形で仕立てられたクロスオーバーのスタイリングは、カッコよくはないがミニの一族であることを納得させる個性を持った、魅力的なデザインに仕上がっているといえる。クラシックミニのアイコンを受け継ぐフロントグリルがまずそれを直感させるのに加えて、リアドアの後ろにもうひとつ窓を備えるいわゆる6ライトウィンドーの上に被さるようにデザインされた、厚みを感じさせるルーフの造形がクロスオーバーの“ミニ感”を盛り上げている要因だろうと僕は観た。
ミニ・クロスオーバーには現在、ワン、クーパー、クーパーS、クーパーS ALL4の4モデルがあるが、それらはデザイン的にも微妙に異なっている。ハッチバックのミニと同じく、ワンはルーフもボディと同色になり、クーパーとクーパーSではルーフはホワイトとブラックから選択するのが標準、オプションでボディ同色にすることもできる。
それに加えてクーパーSは、フロントグリルとその下のスカート形状がワンやクーパーと異なることで、トップモデルであることを一目瞭然に主張している。一方、クーパーSの4WD仕様であるALL4は、フロントドアにALL4のロゴバッジが備わるという控え目な方法で、FWD=前輪駆動のクーパーSとの識別を可能にしている。
搭載されるエンジンはハッチバックやクラブマンと同じで、ワンが98psの1.6リッター、クーパーが122psの1.6リッター、ALL4を含むクーパーSが184psの1.6リッターターボとなり、トランスミッションは全モデルで6段MTまたは6段ATが選択できる。
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