本当に「欲しい!」と思える1台――進化型GRヤリスに試乗。新旧比較でその真価を体感した
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:トヨタ自動車 10
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:トヨタ自動車 10
そして最後は、簡易的なダートコースで現行RZのダート仕様車(iMT)と、進化型8速ATのラリーチャレンジ仕様車を乗り比べた。
ここでの答え合わせとしては、進化型のボディ剛性と出力の向上が、現行型に大きく差を付けるという展開だったはずだが、それぞれ2周の周回と、走るほどに轍(わだち)が深まる状況では違いを見いだしにくかった。
50:50の等速トランスファーを装備したダート仕様車はトラクションの掛かりが良く、ウェット路面同様現行モデルでも、その操作性が見劣りしなかったからだ。もっとハイスピードな領域を然るべきドライバーが走らせれば、その進化と真価を感じ取ることができるのだろう。また筆者は思わずセンターコンソールに手を伸ばして空振りしてしまったが、ハンドル横に移設した競技用サイドブレーキはアイデアものだった。
果たしてGRヤリスは、見事な進化を遂げていた。
コーナーではフロントの高い接地感を保ったままリア旋回し、きれいに向きを変えながら、雨の中でも前へ前へと進むそのコントロール性の高さには、大いに感動させられた。
開発ドライバーのひとりである大嶋和也選手がインタビュー時間に朴訥(ぼくとつ)と、「本当は、ドライで乗ってもらいたかった。もっとその進化を、感じてもらえたと思います」と、残念そうに語ったのが印象的だった。
その機会は次回にお預けだが、前にも増して筆者のGRヤリス熱は高まった。いちクルマ好きとして、本当に「欲しい!」と思える1台だった。
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