レクサスらしい快適性に安定感のある速さ。「LBX MORIZO RR」はトヨタの強さを証明する1台
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:トヨタ自動車 81
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:トヨタ自動車 81
このクルマの特別なポイントは、レクサスでありながら6MTを選ぶことができるという点だ。左足と左手を忙しく動かす運転に価値を見出すドライバーはもはや少ないかもしれないが、確実に存在する。その人たちに選択肢を用意する姿勢は素晴らしい。
シフトフィールは良好。回転合わせをしてくれる「iMT」なので、ギアダウンの楽しさだけを抽出して楽しむことができる。ATはATで楽しい。結局エンジンが楽しいからどっちでも楽しめる。
ノーマルのLBXには装備をもっと充実させてほしいという意見もあるようだが、MORIZO RRも装備や仕立てはノーマルのLBXとさして変わらない。専用スポーツシートは大仰な形状ではないにもかかわらず、サーキット走行でも十分なサポート性を感じさせてくれた。リアシート中央にアームレストがないのは不満。ラゲッジスペースの広さなど使い勝手はノーマルのLBXと変わらない。
MORIZO RRの価格は650万円、インテリアを中心にある程度自由に仕立てられるビスポークビルドが720万円。
株主総会で「モータースポーツが会長の道楽になっているのではないか?」と指摘され、「『道楽』とは道を楽しむと書きます。『次の道を発明しよう』。このビジョンを海図とし、私自身が責任者として、正しいモノづくりを行い、モビリティ・カンパニーへの変革を目指すトヨタグループの航海をリードいたします」と回答した豊田章男会長。RRの名を冠したこのモデルも舵取りの一環なのかもしれない。
MORIZO RR自体に大きな意味があるわけではないが、電動一辺倒ではなく豊富な選択肢を用意できるブランドだというメッセージになっていると思う。
(終わり)
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