小さな高級車は成功なるか。レクサスLBXの走りは数値に表れない“良いモノ感”が詰まっていた
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:トヨタ自動車 219
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:トヨタ自動車 219
話題のレクサス「LBX」を試す機会を得た。「レクサス・ブレイクスルー・クロスオーバー」の車名が示す通り、これまでのレクサスが挑んでこなかった「コンパクトクロスオーバー」というジャンルへの挑戦だ。多くの自動車メーカーが昔から挑戦するもなかなか定着しない“小さな高級車”への挑戦でもある。クローズドコースで短時間のみの試乗だが、印象を報告したい。
既存車種のモデルチェンジではなく、まったく新しい車種に接するのはワクワクする。
LBXはTNGAコンセプトに基づく「GA-B」という車台を用いて開発された。「ヤリス」や「ヤリスクロス」など、トヨタのコンパクトカーが用いる車台だ。レクサスとして世に問う以上、ヤリスやヤリスクロスのように“よくできている”だけでは市場から合格をもらえない。レクサスを名乗るにふさわしい満足度を提供できているのかという観点で試乗した。
>>ヤリスってどんな車? 価格やスペックはこちら
>>ヤリスクロスってどんな車? 価格やスペックはこちら
パワートレーンは1.5L直3エンジンを搭載したシリーズパラレルハイブリッド。バッテリーの種類なども含めたシステムの構成はトヨタ「アクア」に近い。が、LBXへの採用に際してモーター出力を向上したほか、アクセル操作に対するモーターの反応を強化したという。
プレスリリースに「電気リッチな加速感を実現」とある通り、アクセルペダルを踏み込むと、豊かなモータートルクが立ち上がり、エンジン音はさほど高まっていないにもかかわらず、想定を上回る加速力を得られる。つまり、いつもの加速でよければアクセル踏み込み量は少なくて良い。
アクセルを深く踏み込んだ際には3気筒特有の音が聞こえるが、遮音がうまくいっていて、不快な周波数の領域が抑え込まれている。“唸る”とか"頑張っている"感がない。
>>LBXってどんな車? 最新情報はこちら
>>LBXの気になる点は? みんなの質問はこちら
試乗コースはコーナーの多いテクニカルなサーキットで、クルマによってはフラストレーションがたまるレイアウト。にもかかわらず、LBXだとさほどパワーがあるわけではないはずなのに(スペックは未発表)リズミカルに走らせることができた。
登板時、降坂時に路面の勾配を読み取り、加速・減速トルクをアシストすることでアクセル、ブレーキの操作回数を減らす制御のおかげと思われる。要するに負荷がかかる場面では燃費最優先ではなく、積極的に電力によるアシストをして動力性能を高めるということ。
また山道などでドライバーが活発に走行しようとしていることをシステムが検知すると、アクセルオフ時の減速アシストを増加し、エンジン回転数を高いところで維持して再加速をアシストする制御も入っている。
連続するコーナーをリズミカルに走行することができたのは、おそらくこれらの制御のおかげ。このあたりに同じシステム構成でもトヨタのコンパクトとはひと味違う、より高い価格を納得させる小さな高級車への取り組みが見て取れる。ちなみにドアの開閉音は他のコンパクトカーでは聞いたことのない重厚なもの。バスンと閉まる。
>>これは売れそう。レクサスが新型コンパクトSUV「LBX」を初公開! 発売は23年秋
もうひとつ走行時に感心したのがステアリングフィールの滑らかさ。車体、足まわり、そしてステアリング機構のすべての剛性が高くないとこのフィールは得られないはず。こういうふうにカタログスペックには表れないものの、乗るとだれもが明確に違いを感じられる部分に注力しているのがわかる。
この日の試乗車は欧州仕様のため左ハンドル車だったが、ドライビングポジション、視界性能ともに良好。シートは特段深いバケット形状ではないが、サーキット走行でも身体をしっかり支えてくれる形状と柔らかさで好印象だった。
ダッシュボードまわりはきわめてオーソドックスなデザインで、面白みを感じるわけではないが、使いやすいレイアウトで質感も高い。センターには12.3インチのディスプレイが配置され、ほとんどの操作をこのディスプレイかディスプレイ下のスイッチで行う。
LBXには彼らが「ビスポークビルド」と呼ぶインテリアカラー、シート素材、刺繍パターンなどを自由に選べるオーダーメイドシステムが用意されている。約33万通りの組み合わせがあり、購入者のセンスの見せどころ。センスに自信がある人は腕をふるい、自信のない人はレクサスのリコメンドに従おう。
運転席と助手席の間隔は全幅1825mmなりで、広くも狭くもない。後席は膝前、頭上ともにコンパクトカーとして必要十分なスペースが確保されている。ラゲッジスペースもしかり。外観から想像する通りの容量だが、張り出しが少ない使いやすい形状になっている。
>>Q2やUXよりも魅力的!? 「レクサスLBX」の予想価格と唯一の死角とは?
LBXはラグジュアリーカーとして手を入れるべき部分に手を入れ、高級車からのダウンサイザーを納得させるコンパクトSUVになっていると思う。試乗車はプロトタイプだったため、インテリアの仕上げは最終段階ではなく、ビスポークビルドの実力はまだわからないが、走行にかかわる部分は十分に仕上がっていた。
今夏、日本車でありながらイタリア・ミラノでお披露目したように、LBXは世界戦略車だ。レクサスがこのクルマをうまく軌道にのせることができたら、他のプレミアムブランドも次々とこのセグメントに参入してくるはず。気になるのはとにもかくにも価格だ。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
ルクレールがバスール代表の采配を称賛「僕たちは上昇のスパイラルに入っている」。ニューウェイへの興味にも言及
GTWCヨーロッパのスプリントカップが開幕。WRT BMWとウインワードのメルセデスAMGが勝利を分け合う
世界一美しいクーペ=147+156 アルファ・ロメオGT V6ブッソ・ユニットも搭載 UK中古車ガイド
BMWは全ての電気自動車向けに目的地で充電ができるプロジェクト「BMW Destination Charging」を日本で開始
ミキティ、スマホでポチ買いした1000万超の「超高級車」をついに納車! 斬新“ド派手ドア”搭載の実車に 「かっこいい!」「すごいクルマ」の声集まる
今年は晴れるか? 「ルノーカングージャンボリー2024」は10月27日に開催…仏本社も注目、世界最大級のファンイベント
マセラティが推す「フォーリセリエ」で仕立てた「グレカーレ」と別注カラーの「クアトロポルテ」の新旧トライデントが揃い踏み…で、「フォーリセリエ」とは
トレンドはこれからも「SUV一辺倒」なのか? 欧州市場に見る "風向き" の変化
『レンジローバー・イヴォーク』と『ディスカバリースポーツ』の姉妹が2025年モデルに刷新
ニッサン/ニスモ、CNF使用の『ニッサンZニスモ・レーシング・コンセプト』で富士24時間に参戦
2024年F1第6戦マイアミGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
【まさに次期マツダ6?】マツダが中国で発表した流麗な新型セダンの日本導入が“絶対にない”理由
新型「フリード」5月登場! 「シエンタ」も改良で大激戦。デザイン派かコスパ派かでお勧めが違う
【年内納車も!】CX-80日本モデルは6月発表、8月予約開始。発売が遅れた“嬉しい理由”とは?
ゴルフにMINIにメルセデスに…初めての輸入車で絶対に失敗しない“王道” 5台とその理由
【くらべてみた!】人気沸騰中の本格オフローダー「ランクル250」と「ディフェンダー」 どちらがお好み?
【セダン好き集合】北米新型「カムリ」本国価格発表 かっこよすぎ…日本でも売って欲しいぞ!
【実車を見てきた!】アウトドアなクラウン「ランドスケープ」新型展示イベントに登場!
【目からウロコ!】ランクル250が注文できなかった人へ、次の一手は何をするのがベスト?
【日本人は知らない】超高級車に超実用車! 成功が見えてきた新顔「アメリカンEV」の世界を紹介