シトロエンDS3に試乗!感性を直撃する独創性
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
エンジン特性も、やはり刺激より余裕といった趣である。最高出力156ps、最大トルク240Nmは1190kgの車重には十分以上。しかも1400rpmという低回転から最大トルクを発生する特性ゆえに、どのギアでどこから踏んでもすぐに加速してくれる。この粘り強さはコンパクトカーであることを忘れさせてしまう。それもそのはず、この1.6リッター直噴ターボは、車重1.6トンのC5にも積まれているほどなのだ。
一方で高回転域は、6000rpmからのレッドゾーンまで引っ張っても苦しげだし、意味もあまり無さそう。6速MTを駆使して、できるだけ低い回転域でポンポンッとシフトアップしていく方が合っている。そうすれば燃費だって良い。この「Sport Chic」の10・15モード燃費は13.7km/Lで、実は1.6リッターNA+4速ATを積む「Chic」の12.5km/Lを上回っている。そしておそらく実際の走行条件では、「Sport Chic」はもっと燃費を伸ばすこともできるに違いない。
こうして様々な角度から眺めてみた結論としては、DS3は様々な場面、ふとした瞬間に上質なクルマと暮らしている喜びを実感させてくれるような存在、とでも言えそうである。それこそC3との違いは、単にクルマが立派だ、装備が良いといったことだけには留まらない。
それを後押しするのが、DS3の最大の特徴と言えるパーソナライゼーションだ。日本で走り回っている数、そして存在感で言えば、C3だって十分「他とは違う」欲求を満たしてくれるだろうが、DS3ならそれに加えて「私だけの1台」にもなる。これはまさしくプレミアムな所有体験と言えるはずだ。
そこに魅力を見出したならば、DS3にはライバルは居ないと言ってもいいかもしれない。何かと比較してではなく、ササる人には直感的に「欲しい!」と思わせる。DS3はそういう種類のクルマではないかと思う。
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