アウディA1、ドイツ試乗 想像以上にプレミアム
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:アウディ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:アウディ ジャパン
5月末に試乗した新型ポロGTIをして僕は「ホットハッチとして一級ながら、ファミリーカーとしても相当に使えるマルチパーパスなスポーツモデル」と記した。これに対して価格的にも遠くないだろうアウディA1とはどんな存在かといえば、「プレミアムを志向する人に向けた上質スポーツモデル」と記しておこうと思う。
ポロGTIとの違いはA1が現状では3ドアであることで、ファミリーユースとは離れた存在であること。またそのボディ形状からクーペ的な存在ともいえるし、デザイン的にも感度の高い人にウケる要素が多くある。その意味でもA1はオシャレなシティコミューター的な感覚もある。そしてこうしたVWにはない感覚がそこかしこに感じられる辺りがやはり「小さいけれど、完璧にアウディ」と呼べる理由になっている。
おそらくA1は価格的にはポロGTIと同じくらいになるのではないか? 本国では1.2TFSIが200万円を切る価格で販売されており、アウディはかなり力を入れて“若者へ”アピールしている。が、日本へ導入される1.4TFSIはMMIなどの装備も含めて考えると300万円を切る辺りではないかという予測になり、購入層は少し異なって来るだろう。
しかも実はここに来て、A1には強力なライバルが登場した。それがつい先日トリノで試してきたアルファロメオ・ミトTCT。これは新たにマルチエア技術を搭載して燃費を10%向上した新1.4リッターターボエンジン(135ps)に、2ペダルMTのTCTを組み合わせたモデルで、日本では秋に導入が始まると言われ価格は288~305万円とまさにガチの勝負だ。このモデルについてのレポートは別途参考にしていただければと思う。
それにしても、いまやコンパクトカーの世界はまさに激戦区。そんな中でアウディA1はありそうでなかった「小さな高級車」の方向性で新たな流れを作り出したわけだ。
ちなみに試乗会でアウディのエンジニアに質問をしたのだが、このA1には当然今後の派生モデルとして5ドアのスポーツバックも存在するらしい。さらにいえばスポーツモデルのS1もある、と確認済みだ。そう考えるとA1はその世界観をさらに広げて勝負をかけて来るといえる。果たしてコンパクトの世界においても他のクラス同様、「アウディ」が勢いを見せつけるのか? それも合わせて注目したい。
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