好調ジープの世界戦略車、新型コンパスの買いモデルはFFか4WDか?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:小林 俊樹
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さて、今回は千葉県成田市付近の市街地と周辺高速道のみの試乗になった。なので、あくまでチョイ乗りの印象になってしまうが、新型コンパスは良くも悪くもフツーに走る。乗り心地は絶品というほどでもないし、特筆すべき機動性を持つわけではないが、いかにも現代のSUVらしく、それなりに快適で、高速でもリラックスできて、取り回し性も問題ない。
乗り味におけるジープらしい美点を指摘するとすれば、なにかに特化させようとせず、いかにも背の高いクルマらしい穏やかな身のこなしに終始するところだ。その寸止めのサジ加減が、いわゆる乗用車メーカーのSUVとは異なり、いい意味でダルである。パワステその他の操作性も軽い。
新型コンパスはレネゲードと共通のプラットフォームで、レネゲードにある1.4リッターターボ車も存在するが、日本仕様は2.4リッターのみで2WDと4WDが用意される。新型コンパスの2WDと4WDは、駆動方式の差だけでなく、オートマチック変速機も2WDがアイシン製の6速、4WDがZF製の9速……という違いもある。
もともと四輪独立懸架なので、2WDと4WDで乗り心地や操縦性に大きな差があるわけではない。ただ、変速機のちがいによるドライバビリティや快適性の差は小さくない。結論からいうと、ZF製9速を使う4WDのほうが、乗り味は圧倒的に高級である。細かく刻まれたギアがエンジン能力を引き出してくれることもあってか、100kg以上重い4WDでも、体感的な動力性能にほとんどハンデを感じさせない。加えて、変速マナーも圧倒的にZFの9速が優っており、4WDの後にFFのアイシン6速に乗ると、やけにシフトショックが大きく、ギクシャクと安っぽく感じてしまう。
単純に乗り較べると、大半の人は4WDのほうが高級な乗り味と感じるはずだが、かといって、2WDと4WDには50万円以上の価格差がある。その価格差を考えると「新型コンパスは4WDで買うべし」とまでは断言しづらいのが、もどかしいところだ。
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