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「フリード」ガソリンモデル試乗 見た目も使い勝手も良いが官能性が足りない

良く出来た実用車には瞬間瞬間に必ずアートがあるのだが

良く出来た実用車には、仮にそれが大衆的な価格帯の製品であったとしても、瞬間瞬間に必ずアートがある。そしてちょっとした加速や減速、あるいはちょっとした操舵の際にその車が発生させる動きや音、感触などから、人間の身体や心はビビビと「サムシング」を受信するのだ。

車についての詳しいことなどまったくわかっていない人であっても、サムシングは必ず受信できる。それはファッションに知識も興味もない筆者であっても、普段のユニクロではない「ちょっといい洋服」に袖を通してみれば、「おっ、なんだか知らないけどイイね! 違うね!」と感じるのと同じことだ。

そのようなサムシング、具体的には「車自体の動きやエンジンなどの感触から生まれる、特に生産性はない官能性」に、特に高速域ではやや欠けると言わざるをえないホンダ フリードは、個人的には「おすすめの大衆実用車」ではない。

なぜならば、もうちょっとよく探せば、同じぐらいの価格帯であっても瞬間瞬間のArt de Vivreが感じられる実用車を見つけることはできるからだ。そしてそういった実用車に乗るほうが、人生というのはよりステキになるはずだからだ。

とはいえ――筆者の価値観を人様に押し付けるつもりはない。

「そんなことはどうでもいいんだよ! とにかく子供たちがおとなしく座っててくれて、荷物とかの出し入れも便利な、それでいて安価で小ぶりなミニバンがウチには必要なんだよ!」というご家庭も、世の中にたくさんいらっしゃるはず。

そういったご家庭を運営されている方々に対しては、「うむ。ゆっくりめに走る限りは、フリードのG ホンダ センシングは悪くないミニバンだと思いますよ。お買いになるのもよろしいでしょう」との意見を具申したい。

ただ、「日々の生活のなかに発見するアート」もある程度は重視しながら生きたいと考える人が、無理に買う車ではない――ということだ。

全日本国民車評議会(通称:国民車会議)議長としての勝手な評価まとめは以下のとおりである。

【ホンダ フリード G ホンダ センシング(2WD/6人乗り)=210万円】
・車両価格:★★★★☆(総額で見てもまあまあお安い)
・気持ちよく走れる度:★★☆☆☆(一般道は問題なしだが)
・燃費:★★★☆☆(当日の燃費は12.5km/L)
・積載性:★★★☆☆(クラス標準)
・おしゃれ度(外観):★★★★☆(良好)
・おしゃれ度(内装):★★★★☆(良好)

・総合国民車度:★★★☆☆

【 ホンダ フリードのその他の情報 】
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