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「フリード」ガソリンモデル試乗 見た目も使い勝手も良いが官能性が足りない

普通に走るが高速域が残念な印象

それは、走りがややショボいのだ。特に高速域で若干ショボい。

30km/hから60km/hぐらいの速度で市街地や幹線道路を走っている限りは、特にショボさは感じない。や、もちろん車両価格200万円級の大衆実用ミニバンであるため、細かいことを言い出せばキリはない。しかし「大衆実用ミニバンなのだから」と割り切ったうえで運転するならば、不満はほとんどないのだ。

アクセルペダルをちょっと踏むとすぐにグワッと加速してしまい、ブレーキペダルをちょっと踏むと「カック~ン」と減速するという、安手の国産車におおむね共通する傾向は認められる。しかしそこは10分も運転していれば慣れる部分であり、実際にコレを買う所有者であればさらに慣れ親しみ、すぐに気にならなくなるだろう。

問題は、遠出などをするため高速道路に乗り入れた際である。

60km/hぐらいでも若干のガサツさを感じるエンジンだが、90km/hほどになるとその安っぽさは増幅し、同時に「ゴオオオオオーッ!」というロードノイズも大きめのものが侵入してくる。

そして95km/hか100km/hあたりで「まぁこんなモンかなあ……」などと思いながら巡航するうち、前方を走るトロい車両を追い越す必要が仮に生まれたとする。で、そのためアクセルペダルを踏み増すと、エンジンのがさつさとロードノイズ、そして無粋な風切り音はさらに増していく。そして気分は盛り下がる。

つまりこの車、普通に走るは走るのだが、運転中の瞬間瞬間に「アート」がないのだ。

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