BEV目標比率引き下げもの英断も、真価が問われる“ホンダらしさ”。肝心の数値を曖昧にする違和感の正体

Honda 四輪電動化を中心としたHondaの取り組みについて説明会 2025年5月20日

合理的決断の一方「2040年の目標」は曖昧に

現在、世界中のあらゆる自動車メーカーが電動化戦略を見直しており、今回のホンダの判断も、そうした流れのなかにあるものと言うことができます。そういう意味では、ホンダの判断が極めて合理的なものであることは言うまでもありません。

ただ、残念なのは、2021年4月の時点で示された「2040年に世界販売のすべてをBEVもしくはFCEVとする」という部分が“曖昧なまま”とされたことです。

2025年5月の記者会見で提示された図では、2030年以降の部分が意図的にぼかされてしまっています。

BEV比率が高まっていくことやICE（内燃機関車）比率が限りなくゼロに近づいていくことはかろうじて読み取れますが、具体的な数値としては示されていません。

おそらく、「先のことはわからない」というのが本音なのだと思います。

さらに言えば、ホンダの電動化戦略の中心人物であった副社長がスキャンダルにより4月に辞任するといった、予想外の出来事があったことも尾を引いているのかもしれません。

それでも、ホンダ自身が打ち出した方針に対しては、しっかりと説明をする義務があるでしょう。