BEV目標比率引き下げもの英断も、真価が問われる“ホンダらしさ”。肝心の数値を曖昧にする違和感の正体
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 89
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 89
「2040年に世界販売のすべてをBEVもしくはFCEVとする」という目標が発表された当時、筆者はホンダの挑戦的な姿勢に強く心を打たれました。
2021年の主張は、“いま思えば”やや行き過ぎたBEV偏重主義があったのは事実です。
しかし、長期的に見ればBEVが主流となることは火を見るより明らかであり、そうしたなかでどの自動車メーカーが「ファースト・ペンギン」となるのかに注目が集まっていました。
そういうなかにあって、エンジンを強みとしてきたホンダがいちはやく手を挙げたことは驚きでした。実際、ホンダが打ち出した方針に対して「ホンダは終わった」「(創業者の)本田宗一郎さんが泣いている」といった批判的なコメントを見ることも少なくありませんでした。
ただ、筆者にとってはこうした姿勢こそがホンダらしさであり、本田宗一郎氏が目指していたものであったと感じました。
かつて、アメリカで「マスキー法」と呼ばれる厳しい環境規制が提案された時、多くの自動車メーカーはその達成が困難であると考えました。
さらに、当時アメリカで勢力を伸ばしつつあった日本の自動車メーカーに対する「いじめ」であるととらえる向きもありました。
一方、本田宗一郎氏はロサンゼルスへと降り立った際、あまりに空気の悪さに「環境規制はアメリカ国民の切なる願いである」と感じ、「マスキー法」をクリアできるエンジンの開発に心血を注いだといいます。
そうして完成した「CVCCエンジン」を搭載した「シビック」や「アコード」は、ホンダ、そして日本の自動車メーカーの技術力の高さを示しました。
たしかに、電動化の推進は、特定の国や自動車メーカーによる政治的な思惑といった側面もあるかもしれませんが、電動化の先にあるカーボン・ニュートラル、ひいては地球環境を守ることは、人類全体の願いであることも確かです。
繰り返しになりますが、今回のホンダの判断は、ビジネス上の合理性という視点ではこれ以上ないものです。
しかし、以上のような経緯のあるホンダだからこそ、2040年時点の電動化目標達成について強い意志を見せてほしかったと思うのです。
>>【戦略変更が明らかに】ホンダの記者会見資料で電動化戦略の変化をチェックする
(終わり)
(写真:ホンダ)
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