600万円超の価値はあるか？ 新型「プレリュード」に懐疑的だった筆者が乗って確かめたら、ホンダの未来が垣間見えた

ホンダ プレリュード

グランドツアラーとしてどこまでも走っていけそう

今回の試乗コースは、御殿場インターから東名高速道路を下り、伊豆縦貫道経由で芦ノ湖～箱根スカイラインを経由するルートだ。街乗りから高速道路、ツイスティなワインディングをお腹いっぱい楽しんでくれという開発陣の意図を感じる。

ポップアップ式ハンドルに一瞬戸惑いながらコックピットに乗り込む。インパネやスイッチ類もまるでシビックのようで、「スペシャリティとは？」とまだ疑問に思ってしまう自分がいた。

なお、後でエンジニアに聞くと「別のホンダ車から乗り換えても違和感がないように、ボタンや操作系の配置をあえて統一している部分もある」と教えてくれた。「なるほど」と思いつつも、スペシャリティを名乗るなら、ここはもう少し“スペシャル感”があってもいいのではないだろうか。

ただ、水平基調でノイズレスなインパネや広い視界など、座ってすぐに自信をもって走り出せるのはホンダ車共通の美点。ミッドシップかと思うくらいボンネットフードが低く、フェンダーの峰が立っているので1880mmの全幅でも車両感覚を掴みやすい。

閑話休題、肝心の走りである。高速道路では抜群の直進安定性で伸びやかに”滑空”していく。ハンドルセンターはビシッと安定し、パワーデリバリーも唐突感がなく自然なので、グランドツアラーとして疲れ知らずでどこまでも走っていけそうだ。

車線維持支援システム（LKAS）やアダプティブクルーズコントロール（ACC）の制御も見直され、ベース車のシビックより自然な操舵・加減速になったのも見逃せない。