600万円超の価値はあるか? 新型「プレリュード」に懐疑的だった筆者が乗って確かめたら、ホンダの未来が垣間見えた
掲載 carview! 文:ハシモトタカシ 140
掲載 carview! 文:ハシモトタカシ 140
9月5日に発売された新型「プレリュード」。スペシャリティカーという今では聞き慣れなくなった立ち位置、600万円を超える価格設定、デザインなど、公開当初から様々な議論がネットを中心に巻き起こってきた、ある意味(?)今年最も注目を集めるクルマの1台だ。
正直に言うと、筆者もその存在に少し懐疑的だったのだが、クルマの本質は乗ってなんぼかどうか。デビューしたばかりのプレリュードを公道で走らせる機会を得たので、開発陣の想いとプレリュードの目指したことを確かめに行った。ちなみに、乗ったらまんまとやられてしまったのを先に告白しておく。
6代目として、およそ四半世紀ぶりにその名が蘇った新型プレリュードのコンセプトは「UNLIMITED GLIDE(アンリミテッド・グライド)」。グライダーのように、どこまでも行きたくなる気持ちよさと、非日常のときめきの両立を目指したという。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=4520×1880×1355mm、ホイールベースは2605mm。直接のライバルではないが、トヨタ「GR86」より一回り大きいぐらいのサイズ感で、アスペクトレシオ(ホイールベース÷トレッド)は約1.6とし、直進安定性と旋回性の両立を狙っている。なお、ホンダの資料によると、「CR-X」や「S2000」、「CR-Z」や「NSX」などのアスペクトレシオと大体同じだそうで、1.6という数値はホンダスポーツの黄金比なのかもしれない。
世界トップレベルとなる最大熱効率約41%の2.0Lエンジンに、最高出力184PS(135kW)のモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「スポーツe:HEV」を搭載するのは「シビックe:HEV」と同じ。重量は1460kgに抑えられており、このハイブリッド車としては比較的軽い車重が後述する走りの“ヒラヒラ感”に効いてくる。
足回りには、「シビックタイプR」にも採用される電制ダンパー(ちなみに市販車に使うにはかなりの高級品だそうだ)などが装備され、乱暴に言えば「シビックタイプRのシャシーにシビックe:HEVのパワートレインを載っけた(だけの)クーペ」に見えることが、このクルマの本質をわかりづらくさせる点なのかもしれない。
筆者も乗る前はそう思っていた。シビックタイプRもシビックe:HEVもどちらも抜群にいいだけに、“ニコイチ”なのがどこかモヤモヤしていた。
(次のページに続く)
#ホンダ #プレリュード #試乗レポート #ハイブリッド車 #グランドツアラー
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