C5エアクロスは昔のシトロエンらしい「ゆるフワ」な走りを最新SUVで再現した確信犯だった
掲載 更新 carview! 文:南陽 一浩/写真:望月 浩彦
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シトロエンといえば超個性的で、難解で鳴るフランス車の中でもっともヘソ曲がり。そんな風に身構える必要があったのは昔の話で、今やすっかりポップで人懐っこく、ファミリーでフツーに乗れる一台になった。それでいて、ビッグ・シトロエンに求めるのは柔らかな乗り味から醸し出される究極の粘り腰一択という、昔からのハイドロ・サスペンション信者にも、納得の一台になっていた。今夏より日本市場にお目見えする、「シトロエン C5 エアクロス」のことだ。
「C5」というすでに生産が終了したDセグ・サルーンとネーミングの上では横並びとはいえ、車格としては欧州CセグメントSUVにあたる。日本では今や7人乗り仕様のみとなった、「ピカソ」あらため「グランド C4 スペースツアラー」に対し、微妙にナナメ上を行きつつ5人乗りで棲み分けつつ、でもミニバンより人気の高いSUVとして代替需要も迫る、そんな社内ラインナップ事情も見える。ただしベンチマークとされたであろう競合車種は、欧州市場で初代・2代目とも大ヒットした「日産 キャシュカイ」(「デュアリス」、続いて「エクストレイル」)である以上、日本市場では「マツダ CX-5」や「ハリアー」辺りともカチ合うのだろう。
サイズは全長4500mmとそんなに長くないが、全幅が1859mmでボンネットが高くフロントマスクも大きいため、実車を目の前にするとかなりボリューム感がある。それでもいかつさを感じさせないデザインは、近頃の国産車は無論、輸入車を含めても珍しい類といえる。ちなみにラゲッジレール含む全高は1689mm。ホイールベースは2730mmと、同じEMP2プラットフォームを共有している同門の「プジョー 3008」よりも55mm長く、7人乗りの「5008」より110mm短い。全幅の広さは取り回しでは心配のタネかもしれないが、車内は驚くようなルーミーさとなっていた。
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