本当に「欲しい!」と思える1台――進化型GRヤリスに試乗。新旧比較でその真価を体感した
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:トヨタ自動車 10
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:トヨタ自動車 10
モータースポーツを起点に、鍛え上げていく。
その言葉通り、トヨタは登場から約3年の歳月をかけて、スーパー耐久や全日本ラリーで得た知見を通し、秘蔵っ子である「GRヤリス」を大幅に進化させてきた。
試乗したのは、袖ケ浦フォレストレースウェイ。当日はあいにくの雨模様となってしまったが、そのキャラクターをつかむには、むしろ好都合だった。
走り出す前にまずそのトピックをお伝えしておくと、今回進化型GRヤリス(プロトタイプ)には、待望の「Direct Shift 8速AT」が搭載された。そのギアレシオは1速が4.435から始まり(6MTは3.358)、6速が1.000で直結(6MTは5速が1.081)。そして7速(0.793)と8速(0.650)が、オーバードライブになっている。最終減速比は6MTの3.941/3.350に対して、8ATが3.329だ。
筆者もGRヤリスが登場したときは、なぜAT仕様が存在しないのかと疑問に思った。2万5000台という当時のホモロゲーションをクリアしたかったのであれば、それは必要不可欠だと思えた。
結果的にトヨタはFWDにCVTを組み合わせた「1.5RS」という飛び道具までをも用意して、これを達成してしまったわけだが、ともあれAT仕様がないという理由でGRヤリスを諦めた人たちは多かったことだろう。それがこのたび、ようやく実現された。
ということで晴れてGRヤリスは6速MT(iMT)と8速AT(GR-DAT)をラインナップすることとなったわけだが、さらに今回はこれを、現行型6MTモデルと比較試乗することができた。
グレードは全て、「RZ“High Performance”」だ。BBS製の18インチ鍛造ホイールに225/40ZR18サイズの「ミシュラン パイロットスポーツ4S」を組み合わせ、ブレーキにはフロント対向4ポット/リア対向2ポットキャリパーとスリットローター、ディファレンシャルには前後にトルセンLSDを備えた、カタログモデルの最上級仕様である。
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