【完成の域】登場から5年「ヤリス・ノート・フィット」は今が狙い目…それぞれの特徴と“買うべき”モデルは？

ホンダ フィット

実用性の極みと“人にやさしい設計”の「フィット」

フィットの最大の魅力は、誰が乗っても快適に感じるパッケージングだ。

低床設計の効果で、後席の足元スペースや頭上空間が広く、長時間の移動でも疲れにくい。後席のチップアップ機構を活用すれば、自転車や観葉植物など背の高い荷物も楽々積める。こうした“ユニバーサルな使いやすさ”は、ヤリスやノートにはないフィット独自の特徴だ。

走行面では「e:HEV」システムの完成度が高い。

モーター走行を主体にしつつ、高速域ではエンジン直結で効率を高めるという賢い仕組み。結果として街乗りでは静かで滑らか、高速では伸びやかな走りを両立している。

また、2024年の改良で加わった「RS」グレードは、専用サスペンションとチューニングが利いて、走り好きから聞こえてくる「もっと楽しく走りたい」という要望に応えるモデルとなった。ハンドルを切ったときの手応えやブレーキの剛性感が増し、「実用車でありながら運転が楽しい」という新しい方向性を打ち出している。

安全装備の「Honda SENSING（ホンダ・センシング）」は精度が高く、運転支援の作動が自然。ヤリス同様、ACCや車線維持支援システムも全グレードに標準装備され、運転初心者や高齢ドライバーにとっても扱いやすい。

見た目の派手さこそないが、“人を中心にした機能美”という意味で、いま最も完成されたコンパクトカーといえる。