カンタンに言うと日産ノートe-POWERはどのへんがユニークなのか?
掲載 更新 carview! 写真:編集部
掲載 更新 carview! 写真:編集部
売れてるハイブリッド「ノートe-POWER(イーパワー)」をメディア向けにわかりやすく説明してくれる、という催し(笑)に行ってきました。“売れてる”とか大げさと言われそうですが、登録車(軽自動車は含まれない)で見た場合、発売した昨年(2016年)11月は1位(※この月は軽自動車も含む乗用車全体でも1位)、12月はプリウスに首位を明け渡すものの2位、今年に入って1月は1位に返り咲き、2月はプリウスに1位を譲って2位と、王者プリウスとリアルに渡り合ってます。
しかし、日産が“電気自動車の新しい形”という紹介の仕方をしているものの、あんまり良くわかんないなという人も多いはず。かく言う編集も、ノートe-POWERがざっくり理解できるといいなと思っていたのであります。というわけで、今回の説明会で「そうなんだ」と思ったざっくり感想を以下に。
HV(ハイブリッド)車です。電気自動車はコンセントからバッテリーに充電して走ります。ノートe-POWERにコンセントから充電する機能はなく、ガソリンで発電エンジンを回して電気を作って走ります。エンジンとモーターの両方を持っているからハイブリッド。ハイブリッド車のバッテリーが電気自動車のように大容量になって、コンセントでも充電できるようになると、「プリウスPHV」や「アウトランダーPHEV」のようなプラグインハイブリッド車となります。
ノートのハイブリッドはシリーズ式(直列式)と言われ、エンジンを発電だけに使います。作った電気はバッテリーに貯めて(貯めずに直接使うこともある)、モーターを回します。エンジンで直接タイヤを回すことはない、というのが他のハイブリッドと違う、ノートe-POWERの特徴です。
実はシリーズ式は昔からある考え方です。ただし、現在市販されているメジャーなハイブリッドカーを見渡すと、エンジンが発電しかしない乗用車はノートe-POWERだけかもしれません。例えば同じシリーズ式のハイブリッド「ホンダ アコード」やプラグインハイブリッド「三菱 アウトランダー」は、高速走行時など特定の条件下では、エンジンが直接タイヤを回すモードがあります。ノートe-POWERのほうが単純。開発コストなども睨んだ上での、逆転の発想と言えるかもしれません。
同じクラスのハイブリッド車とほぼ同レベルにある、と言えます。一般論として、モーター走行に有利なストップ&ゴーの多い市街地などがメインの使い方では、ノートのシリーズ式ハイブリッドが有利です。一方、高速道路など速度が高い領域になってくると、高速で効率が良いエンジンで直接タイヤを回すこともできる、他のハイブリッド方式が有利です。だからドイツのように平均速度の高い国では、ノートe-POWERは燃費が伸びにくいとも言えます。
実際の燃費は、ハイブリッドモデル全般の一般論として、カタログに表示されているJC08モード燃費の約60-75%ぐらいで考えるといいらしいですよ。ノートe-POWERの量販グレードだと34.0kmなので、20.4~25.5km/Lという感じでしょうか。
繰り返しますが、エンジンが直接タイヤを回すことがありません。モーターでのみ走る電気自動車と同じで、その駆動モーターは基本的に電気自動車「リーフ」と同じものです。ただし電気を作るために、ノートe-POWERではエンジンがしばしば回って発電をしますが、こうしたエンジン音や振動はリーフにはありません。
そして、エンジンで走るのとモーターで走るのでは違いがあるのはご存知の通り。エンジンはどうしても、アクセルを踏んでからクルマが反応するまでに、わずかな時間差が出ます。モーターのみで走る電気自動車やノートe-POWERは、常にリニアでダイレクトに反応します。このわずかな時間差がゼロであることが、上質な走行フィーリングとして伝わるようです。
最後に30分ほど試乗ができました。ノートe-POWERの特徴に、アクセルペダルだけで走れるワンペダルドライブというのがあります。アクセルを戻すだけでブレーキ力が得られるというモーター駆動の特性を活かして、交差点などではフットブレーキを踏まずに停止できる、というものです。このブレーキ力が働いている間、走行エネルギーは電気に変えて回収できるので、「回生ブレーキ」とも言われ、電気自動車やハイブリッド車ではお馴染みの機能ですね。
実はプリウスやリーフでは、フットブレーキと回生ブレーキを協調させるより高度なシステムを搭載していますが、ノートe-POWERではコストやシステムの配置スペースの理由から搭載が見送られています。その代わりに回生力を最大限に高めつつ、ブレーキ要らずのアクセルに仕立てたところが、ノートe-POWERや電気自動車のBMW「i3」の特徴です。
走ってみると、軽いフットブレーキ並みに利くので、そこそこ勢い良く走っているときに前方の交差点が赤になっても、アクセルを戻せば余裕を持って停まれてしまいます。これはフットブレーキを使わなくなりそう…。とっさの時にブレーキペダルを踏む意識が鈍っちゃいそうな心配もしたんですが、日産のエンジニア氏はそんなことはないと言っておられました。
モーター走行のフィーリングは、リーフのような電気自動車と同様に伸びのあるなめらかな気持ち良さがあります。ただし、エンジンのブーンという音がしばしば入ってくるので、電気自動車のような無音空間を想像すると違うかも。一方、航続距離を気にせず好きなだけモーターパワーを味わえるのは電気自動車にはないアドバンテージです。強い回生ブレーキを活かしたワンペダルのドライブに興味ある人は、ノートe-POWERやBMW i3などに試乗してみてください。(編集T)
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
メルカリ、陸送のゼロと業務提携 中古車取引の名義変更の代行や検査・輸送を支援
「オーラが凄い…」 3000万円の超豪華セダン「トムス センチュリー」に驚きの声! 誰もが二度見する“存在感”がスゴイ! 超スポーティなトヨタ「究極のセンチュリー」とは!
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part III』のデロリアン、アオシマの1/24プラモデルに
MSJが初めて横浜へ。JAFモータースポーツジャパン2025、山下ふ頭で3月22~23日開催決定
なぜロールス・ロイスが本社周辺の歩道417号を整備?…本拠地の拡張プロジェクトのために地域社会と良好な関係を築く必要性があるようです
トヨタ「MIRAI(ミライ)」一部改良!精悍さ際立つオプション「ブラックパッケージ」も設定
「空飛ぶクルマ」がいよいよ大阪の空を飛ぶ!? ポスト万博に向けて大阪ダイヤモンドルート構想を発表
スズキ『スイフトスポーツ』生産終了を正式発表、特別装備の「ZC33S ファイナルエディション」を限定生産へ
ルノーとコラボした立体マルバツゲーム 「カンカンキャップス」が登場! ロゴ入り特別仕様が期間限定で予約受付中。
カスタムカーを愉しむ大人の社交場、「サークルパーティ2024」が6回目の開催
レッドブルF1重鎮、崖っぷちペレスが高額違約金要求との噂を“ナンセンス”と一蹴。テスト実施の角田裕毅を称賛
すべてが至宝! 288GTOからF80まで「スペチアーレ」こそがフェラーリの頂点に異論なし
【裏返したジーンズを再現したシートカバー!?】 あの“ビームス”とコラボした日産の特別仕様車が6車種一斉発売
【ほぼ確定】トヨタの名車が続々。スープラ後継も担う「セリカ」、確度高まる「MR2」の価格と性能
【いよいよ明日から!】ガソリン補助金が減額。値上げ状況・暫定税率廃止など知っておくべき点をまとめた
スズキ「スイフトスポーツ」に“ファイナル仕様”登場。焼きチタン色の内装がスゴい…新型登場は1年後?
【本当に売ってるの?】去年話題になったトヨタの超高級SUV「センチュリー」を街で見かけない理由
【打倒アルファード?】帝王メルセデスが新型“高級ミニバン”のデザインをチラ見せ。今わかることは?
【販売店も困惑?】アウディ「A3」大幅改良も“格下”「ゴルフ」との上下関係が超ビミョーな理由とは
【ルーフレスの究極オープン】歴史的名車×F1技術が産んだメルセデスAMG新型「ピュアスピード」公開。どんな車?
【もはやノートPCサイズ!?】15インチ大型ディスプレイやマッサージ付きシートが付いた新型「ティグアン」試乗
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!