【“謎”と“珍味“好き以外は閲覧注意】個性派揃いのフランス車! イイところ&注意点とは?
掲載 carview! 文:伊達軍曹 37
掲載 carview! 文:伊達軍曹 37

プジョー 208
「フランス車のイイところ、注意しておくこと」といっても、自動車ビジネスのグローバル化とEUの一体化が進んだここ最近の欧州車は、どこの国のモデルもおおむね同じようなモノである……というのはさすがに乱暴かもしれないが、かつてのように“お国柄”が顕著に現れているわけでもないため、いきなりの結論としては、下記のようなものにならざるを得ない。
「フランス車のいいところは、ドイツ車とだいたい同じです。注意しておくべきことも、ドイツ車とおおむね同じです」
最近のフランス車はドイツ車同様に「高速域での直進性能やハンドリング性能」にかなり優れており、またドイツ車同様に「あんまり壊れないが、たまに壊れる。そして壊れた場合の修理代(部品代)は、国産車よりも高い」というのが“注意しておくこと”になる。
>>プジョー 208の詳細
>>プジョー 208のユーザーレビュー
>>プジョー 208の専門家レビュー
そのうえで最近のフランス車には、以下のような“ドイツ車よりもイイところ”がいちおうあるだろう。
●ずいぶん硬めにはなったが、それでもドイツ車よりは足がソフトめで快適である
●ずいぶん似た感じにはなったが、それでもドイツ車よりは内外装デザインのセンスがよろしい
●「フランス車=壊れる」みたいなイメージもあったが、最近は、どちらかといえばドイツ車のほうが壊れやすいような気もする。

ルノー メガーヌR.S.トロフィー
>>ルノー メガーヌ R.S.の詳細
>>ルノー メガーヌ R.S.のユーザーレビュー
>>ルノー メガーヌ R.S.の専門家レビュー

シトロエン C3(2代目)
そのいっぽうで、いちおう存在する“注意しておくところ”は、下記のようなものだろうか。
●東京都内とかに住んでいるなら問題ないが、地方では正規ディーラーや専門工場の数が少ないため、メンテナンスにちょっと苦労する場合がある
●モデルによりけりではあるが、いわゆる先進安全装備がショボい場合もある
もしもここ最近のフランス車を買いたいのであれば、上記のような「いいところと良くないところ」をいちおう頭に入れたうえで、後はフォルクスワーゲンを買うのと似たようなニュアンスで気楽に買いに行けばいいだけの話。それゆえ、何の問題もない。
「問題」なのは往年のフランス車、具体的には20年落ちまたは40年落ちぐらいのフランス車を、なぜか欲しくなってしまった場合であろう。
その頃までのフランス車は「EU車」または「地球車」ではなく、明白に「フランス車」であったため独自性が強く、その独自性がもしも貴殿のお好みに合うのであれば、いわゆるひとつの絶対的なオススメとなる。素晴らしい選択だ。
だが往年のフランス車の独自性は「美点だが、見方によっては欠点でもある」という“表裏一体”のものである。そのため、その表裏一体性を十分理解したうえで購入することが肝要となるのだ。

ルノー カングー(初代)

シトロエン C5(2代目)
往年のフランス車の(表裏一体な)独自性とは、おおむね以下のとおりである。
個人的にはフランス人のギャグセンスも日本人には理解しにくいと思っているが(サッカー日本代表のトルシエ元監督のユーモアも、かなりわかりにくかった……)、それ以上に謎なのが、20年ぐらい前までのフランス車における「カーデザイン」である。
わかりやすい例としては「シトロエン C5」だろう。
2008年に「C5セダン」または「C5ツアラー」として復活した2世代目のシトロエン C5は、汎欧州的な美意識にのっとった「わかりやすいカッコよさ」がある外観デザインだった。
だが2001年に発売された初代C5およびC5ブレークは、完全に謎だった。特に、目元のデザインが変わった後期型の意匠は、トルシエ元監督の冗談以上に理解しがたい何かであった。
>>シトロエン C5(初代)の詳細
>>シトロエン C5(初代)のユーザーレビュー
このデザインにGoサインを出したシトロエン社の上層部とは絶対に友だちになれねえな……など思ったものだが、不思議なことにしばらくすると、往年のフランス車の謎デザインというのは愛おしく思えてくるものだ。
それを「くさやの干物に似ている」などと言ったらマジメなフランス車愛好家に怒られそうだが、まぁとにかく昔のフランス車のデザインは“珍味的”なのだ。クセになるというか。
くさややこのわたなどの珍味がお好きな人であれば、往年のフランス車も十分イケるだろう。
普通のドイツ車であれば3LのDOHCあたりをガツンと載せてくるような車に、昔のフランス人は平気でSOHCの2Lや1.6Lぐらいのしょぼいエンジンを載せていた。当然ながらカタログスペックも、ドイツのそれは「最高出力225ps!」とかになっていたが、例えば1990年代初頭の「シトロエン エグザンティア SX」のSOHC 2Lエンジンは「120ps」でしかなかった。
だがその120psは、実質的にはけっこう速かった。
さすがに出足は225psにボロ負けするが、ひとたび速度が一定以上に乗れば、ソフトだが十分に踏ん張る足回りの良さと併せ、高速道路の山岳セクションでは下手っぴが乗る225psのDOHCを軽くぶっちぎることも可能だったのだ。

シトロエン エグザンティア ブレーク
>>シトロエン エグザンティアの詳細
>>シトロエン エグザンティアのユーザーレビュー
この「120ps的エンジンを載せる」という意志決定はフランス人の、よく言えば合理性、悪く言うなら「ケチ」な気質によるものだったはずだ。
「無駄にでっかいエンジンを載せたところで、燃費が悪くなって税金も高くなるだけなんだから、結論として速く走れるのであれば、エンジンなんてシンプルで小さいやつで十分!」というような思考プロセスで、120ps的なるものが搭載されたのだ。
このあたりを「おもしれえじゃん!」と思える人には、往年のフランス車は向いている。だが「そんなショボいエンジンの車に乗った日には末代までの恥だぜ!」的に思うのであれば、やめておいたほうがいいだろう。

シトロエン BX
>>シトロエン BXの詳細
>>シトロエン BXのユーザーレビュー
このほか、往年のフランス車には「新車時からけっこう壊れまくる」という特徴(?)もあったが、本当に壊れまくる個体の多くは、すでに土に還っている。そして現存している個体の多くは「数々の苦難を乗り越えてきた強者(つわもの)」であり、そのメンテナンスの勘所も、専門店各位は十分に心得ている。
そのためマトモな店でマトモな個体を、マトモな金額を出して買う限りにおいては、故障への過剰な心配をする必要はない。
とはいえ、それでも壊れるというか、消耗部品が寿命を迎えたり、思いもよらぬパーツがもげて落ちたりするのが往年のフランス車である。というかフランス車に限らず、往年の車全般である。
そのあたりの事象に寛容になれない人は、仮に往年のフランス車のおしゃれっぽさに魅力を感じたとしても、やめておいたほうがいいだろう。
だがもしも寛容であり続ける自信がそこそこあるのであれば――迷わず「専門店へGo!」だ。実際筆者も今、東京都大田区の某専門店で、ハイドロニューマチックのシトロエンが買いたくてたまらんのですよ……。

シトロエン DS
写真:ステランティスジャパン ルノー・ジャポン
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
フォーミュラEの第12シーズンが開幕……しかしいきなり完走わずか13台の大乱戦に。デニスがポール・トゥ・ウイン|フォーミュラEサンパウロE-Prix
“空飛ぶ女将”がもてなす「一茶のこみち美湯の宿」【心を満たす温泉宿24選】
【F1アブダビGP予選の要点】Q2でのタイヤ選択が明暗分けたか。選手権首位ノリスの懸念事項
世紀の大逆転&5連覇なるか? フェルスタッペンが最終戦でポールを確保。角田裕毅はQ3進出で意地見せる|F1アブダビGP予選レポート
フェルスタッペン、逆転王座に望みを繋ぐPP獲得。ノリスがフロントロウに並ぶ【予選レポート/F1アブダビGP】
F1アブダビGP予選速報|逆転王座へ! フェルスタッペンがポール獲得。ノリス2番手、ピアストリ3番手……角田裕毅、執念のQ3進出10番手
ゴルフカートにつける後付けクーラーだって!? 馬力アップで風量2倍! 三笠製作所が「OASISプラス」を開発! シートヒーターもあるぞ!!
岩佐歩夢「クルマに乗っていたら気が付かなかったこと」を学んだ充実した1年。FP1は“ローソン想定”で走行/F1インタビュー
【追記】レッドブル育成のリンドブラッドが今季3勝目。カンポスがチームタイトル争いに望みを繋ぐ/FIA F2第14戦レース1
F1デビュー決定のリンドブラッドが今季スプリントレース2勝目。F2デビュー2戦目のツォロフが非凡な走りで3位。宮田莉朋は14位|FIA F2ヤス・マリーナ スプリントレース
2025年も熱い戦いを繰り広げたSUPER GT……トヨタ&レクサスのGT500マシンヒストリー
価格1200万円オーバーも! 芸術性が高いコラボ時計3選──ウブロ、ピアジェ、ブルガリ
「クロスビー」が“実質フルモデルチェンジ”で昨対比269.8%と大復活。コンパクトSUVの王者「ライズ」を脅かす存在に!?
「N-ONE」一部改良。販売店には6MTの「RS」と「特別仕様車」に問い合わせ集中…「やっぱりMT車は運転が楽しい」の声も
【やっぱり大人気】長らく買えなかったガソリン仕様「RX350」が受注再開。購入者からは「コスパ最強」の呼び声も
【コメント欄で激論】「500万超えは厳しい」「アルファード買ったほうがいい」…「オデッセイ」一部改良に関する記事が話題
【新車が高い問題】北米でじわりと広がるセダン回帰。日産「セントラ」が示す“手頃さ”というもうひとつの選択肢
【ここが変わった】新型「デリカD:5」まもなく登場! 改良前モデルの“惜しい点”や、お買い得度はどうなった?
ソニー・ホンダモビリティが「アフィーラ1」の量産型を1月のCESで公開。さらに新たなコンセプトモデルも予告へ
【正体が判明】謎のレクサス版スポーツモデルは「LFA コンセプト」だった。BEVでも“走りの魂”を継ぐ次世代フラッグシップがついに姿を現した
【市販化なるか】“ランクル75周年”に向けて浮かび上がるトヨタ「ランドクルーザー Se」のこれからの動向
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!