600万円超の価値はあるか? 新型「プレリュード」に懐疑的だった筆者が乗って確かめたら、ホンダの未来が垣間見えた
掲載 carview! 文:ハシモトタカシ 140
掲載 carview! 文:ハシモトタカシ 140
ひとしきりプレリュードに乗って感じたのは、「今後のホンダの走りの方向性が垣間見えた」ということだった。ハイブリッド車の可能性を改めて追求し、その高いハードルを技術で超えていく。そんなクルマだった。
チーフエンジニアを務めた山上智行氏も「出てすぐは共感を得られにくいかもしれないし、ある程度の批判も予想していた」と正直な胸の内を吐露する。しかし、(後席はかなり狭いが)四人乗りであること、20km/L超えの環境性能、グランドツアラーとしての乗り心地、ゴルフバッグやサーフボードまで積める積載性など、「購入へのリジェクトリーズン(拒否する理由)を省いていった。乗ればジワジワと良さがわかると思うので、口コミで良さが伝わってくれれば」とも話す。
そんな山上氏の想いを汲み取ってか、ホンダは一部の店舗でプレリュードのレンタカーサービスを始めている。スペック比較や短時間の試乗では気付きにくいこのクルマの本質的価値を見極められるので、気になる人はチェックしてみてはどうだろう。
なお、一部の意地悪な人間から「〇〇に似ている」などと揶揄されるそのデザインだが、実車を見る限り全くそんなことはなく、ワイド&ローのスタンス、クリーンなサーフェイスは写真で見るよりもずっとマッシブでエレガント。試乗中、同業者の乗ったプレリュードを対向車線に見つけた際に、思わず目で追ってしまったほどだ。
その話をすると山上氏は「道ゆく人が『こういうクルマいいよね』と興味を持ってもらえる存在になれれば」と嬉しそうに話してくれた。様々な声があるが、まずはこういうクルマがまた世に出てきたことを喜ぶべきだと思った。
プレリュードには、世界最速やクラストップといったわかりやすい記号性は、正直ほとんどない。しかし、そこには「移動する歓び」をピュアに楽しむクルマの本質が詰まっていた。当初は懐疑的だった筆者だが、試乗を通じ「この懐の深さがちょうどいいと思う人も多いのでは」と認識を改めるようになった。
30代半ばの筆者にとって「当時のデートカー」の意味を知る由もないが、大切な人との二人きりの移動時間を特別な思い出に変えてくれる力がこのクルマにはある。
その名の通り、新型プレリュードはホンダハイブリッドの「前奏曲」となり、これからのホンダ車を引っ張っていく存在になり得るだろう。山上氏は「一番大変だったのは世に出すこと」と話してくれたが、あとは、「すぐやめる癖」のあるホンダが「プレリュード」というブランドを辛抱強く育んでいけるかどうかにかかっている。
(終わり)
(写真:ホンダ、トヨタ)
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