CES 2014、ウェアラブルとクルマの連携
掲載 更新 carview! 文:川端 由美/写真:川端由美、メーカー各社オフィシャル
掲載 更新 carview! 文:川端 由美/写真:川端由美、メーカー各社オフィシャル
CESの会場を埋め尽くさんばかりのカーエレにも増して、興味深かったのがBMWが別会場で行ったワークショップだ。ラスベガス・スピードウェイには、ブランニューの新型2シリーズと、エレガントなクーペスタイルの6シリーズがサーキットに並んでいた。普通の試乗会であれば、キーを受け取って運転席に飛び込むところだが、今回は235iの助手席に座ってタクシーライドとなる。逸る気持ちを抑えつつ、運転席に座ったエンジニアが何らかの操作をするのを見守る。すると、アクセルペダルを踏まなくても、クルマがスーッと走り出す。操舵をしなくても、コーナーが見えればすっとステアリングホイールを切って曲がってくれる。
駆け抜ける歓びを旨とし、これまで高度なドライバー支援の導入に積極的ではなかったBMWが、とうとうクルマに運転を任せるのか…とがっかりすることはない。単に自動で走らせるだけに留めないのが、BMWの自動運転の真骨頂だからだ。サーキットの内側にあるハンドリング路では、レーシングドライバーもかくや、といった派手な走りっぷりを披露した。なかでも、325iに搭載される3L直6ユニットが生み出す326ps/450Nmもの巨大な出力を駆使してのドリフトは一見の価値がある。
これだけの高度な走行を行なうためには、レーダー、カメラ、超音波ソナー、レーザー・レンジファインダーといったセンサー類を搭載して、自車の周囲で起きている情報をキャッチする必要がある。加えて、そのデータから必要な情報を抜き出し、アルゴリズムにかけて、自動運転に必要な情報をアウトプットし、最終的には車輌の制御につなげる。すでに、ミュンヘン周辺のアウトバーンで走行試験を重ねており、ラグナ・セカのコークスクリューを駆け降りるといったデモ走行も行っている。今回のCESに持ち込んだ新しい試験車では、このアルゴリズムが新開発されている。
実際に、パイロン・スラロームを正確にクリアするにはエンジンとシャシーの双方をバランスよくコントロールしなければならない。一般的なESCではブレーキを自動でかけて車輌安定性を取り戻すが、このシステムではベテランドライバー同様、グリップ状況に応じてアクセル操作に操舵を加えて安定させる。あるいは、意図的にオーバーステアに転じたときでも自動で本来のラインへと修正していく。リアがスライドをはじめたら、ESCによる慎重なブレーキ入力とESPによる正確なカウンターステアとが組み合わされてはじめて、きれいにリアがライドしていくのは人間の運転でも同じだ。
自動運転の中核を担うシステムは、コンチネンタルと共同で開発した「エレクトリック・コパイロット」だ。2015年にはこの機構を搭載した試験車を使って、ドイツと欧州の限定的な地域でテストする。自動運転そのものの商品化は、法整備などの課題もあって少し先のことになりそうだが、自動運転の技術を製品に反映したシステムは徐々に市販車に搭載される。例えば、ドライバーが車両を降りて行う遠隔での自動駐車や、アクティブに危険回避するレーンキープアシストなどを含む「アクティブ・アシスト」を市販していく予定だ。
2015年にはヨーロッパの国々で公道テストをはじめ、2018年にはさらに広いエリアで走り始めるという。当然、法整備や消費者が受け入れる心の準備ができれば、自動運転で走るクルマが世の中に出てくるのもそう遠い未来の話ではなさそうだ。家電を身につけて、音声でクルマに命令して、サーキットで自動運転をするなんて、遠い将来のような気がしていた。が、CESを見回してみると、渋滞時には運転をクルマに任せてスマホでフェイスブックに投稿し、郊外の流れのいい道に出たら気持ちよく運転するなんてことが「すぐそこにある未来」に思えた。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
川崎重工、4足歩行モビリティ「CORLEO」製品化へ…社長直轄プロジェクト立ち上げ
新車“約327万”! 日産「“6人乗り”セレナ」がスゴイ! リッター約20km走る&全長4.7m級の「ちょうど良いサイズ」採用した「サードシートレスモデル」とは
逮捕された元F1ドライバー、エイドリアン・スーティルが詐欺容疑を否認。弁護士が声明を発表
パンクとは違うタイヤの破裂! 危険極まりない「バースト」が起こる原因と予防策
【ヤマハ アクシスZ 試乗】最軽量か、ゆとりか。「シグナス」と「ジョグ」の間で光る「王道コミューター」の姿…伊丹孝裕
欧州の“S級有望株”がスーパーフォーミュラで走る! F4&FRECA王者のスレイターが鈴鹿テスト参加決定
「関西人がサンマを食べられるのはこのフェリーのおかげ!?」 新造船デビュー「日本海の最長航路」の“強み”とは?
4人乗りは2000万円超え 「極上の移動空間」を提供する超高級ミニバン レクサス「LM」の納車まで時間はどれくらい? 人気はどう? ディーラーに聞いてみた
シート喪失に驚くも落ち着いた週明け「まだ十分に認識していなかったのかも」首脳陣は新人を優先【角田裕毅F1第24戦展望】
【年に一度の車山詣で】今年も『アロンフランセ』に700台近いフランス車が集結!テーマはシトロエンID/DS70周年
「間違いなく正解」新型トヨタ『RAV4』がSNSで話題沸騰! 注目グレードはやはり「GRスポーツ」
ダイハツ「ミラジーノ」を2台乗り継ぐヘビーユーザーが作る純正イメージを大切にしたカスタマイズ
【やっぱり大人気】長らく買えなかったガソリン仕様「RX350」が受注再開。購入者からは「コスパ最強」の呼び声も
【コメント欄で激論】「500万超えは厳しい」「アルファード買ったほうがいい」…「オデッセイ」一部改良に関する記事が話題
【新車が高い問題】北米でじわりと広がるセダン回帰。日産「セントラ」が示す“手頃さ”というもうひとつの選択肢
【ここが変わった】新型「デリカD:5」まもなく登場! 改良前モデルの“惜しい点”や、お買い得度はどうなった?
ソニー・ホンダモビリティが「アフィーラ1」の量産型を1月のCESで公開。さらに新たなコンセプトモデルも予告へ
【正体が判明】謎のレクサス版スポーツモデルは「LFA コンセプト」だった。BEVでも“走りの魂”を継ぐ次世代フラッグシップがついに姿を現した
【市販化なるか】“ランクル75周年”に向けて浮かび上がるトヨタ「ランドクルーザー Se」のこれからの動向
【速報】トヨタが新型「GR GT」「GR GT3」を世界初公開! 650psのV8ハイブリッド×アルミ骨格の“次世代フラッグシップ”の正体判明
登場から2年、レクサス「LM」の購入層に変化? 法人だけでなく、買えない「アルファード」横目にファミリー層も獲得か
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!