新型フェアレディZは、ビッグマイナーチェンジで正解だった。“最後のガソリンZ”ならではの硬軟自在の走りとは?
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:日産自動車 142
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:日産自動車 142
さて、ここまでが新型フェアレディZの“表の顔”だとしたら、アクセルを踏み込んだ先には“裏の顔”があることもお伝えしておこう。そう、“最後のガソリンZ”には、FRスポーツに対する開発陣の本気度も、きっちり込められているのである。
それを決定づけるのは、歴代随一と思えるシャシーワークだ。ただしそのフットワークは、同じFRスポーツカーでありライバルであるスープラのようなソリッドさはなく、むしろ穏やかなハンドリングが特徴的である。
そもそもスープラはBMWと共同開発した最新世代のプラットフォームが決め手のスポーツカー。ホイールベースを2470mmと、この手の大排気量FRとしては極端に短く取ることで曲がりやすさを求め、これをサスペンションセッティングで安定方向へとバランスさせている。
対して新型フェアレディZの土台となるのは、各部の剛性にテコ入れをしたとはいえ2002年から使われている「FR-L」プラットフォームであり、その成り立ちはオーソドックスなロングホイールベース(2550mm)スタイル。だが、そのハンドリングはとても素晴らしいのである。
特にブレーキングからターンインにかけての、ねっとりと路面をつかむ操舵感は格別だ。今回からその足下にはモノチューブダンパーが搭載されたのだが、これが引っかかり感のない、実にしなやかな減衰力を発揮して、タイヤを地面に押しつける。
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