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ホンダ N-BOXはニトリ的ステキさで非自動車マニアを惹きつける有力国民車候補

現時点で最強の国民車候補

高速道路を巡航させてみても、ホンダN-BOX G・L Honda SENSINGの「ニトリ的な良さ」は大いに光る。

もしも昭和の車マニアっぽい言い方をするなら「追い越しを企図する際、エンジン回転数の上昇と車速アップのリニアリティに若干欠けるのが惜しい。CVTの悪癖といったところであろうか」みたいになる。

だが普通ぐらいの速度とセンスで高速道路を走るのであれば、そんな細かいことは「ほとんどどうでもいい」と感じられるほど、その走りっぷりは悪くない。

100km/hから追い越しをかけるのはさすがに少々かったるいが(だが不可能ではない)、安全だけに気を配り、あとは特に何も考えずに90~100km/hほどで巡航し、そこから状況に応じて減速したり加速したりするのは快適そのものだ。いや「快適そのもの」はさすがにちょっとホメすぎか。「これはこれでいい感じである」と言い直そう。

ほぼ真四角なカタチゆえ「高速道路では風切り音がデカそう」というイメージがあるかもしれないが、実際はそんなこともない。ロードノイズ等も含めてまあまあ静かな車である。100km/h超になると横風の影響がちょっと怖くなるが、それ以下の速度域ではビシッと安定している。……素晴らしいですよ。

都内および近郊をいろいろと走り回って、車載の機器によれば燃費は17.1km/L。「27.0km/L」というカタログ燃費には届かなかったが、これはこれで悪くない数字であろう。そして検証のためにあえてアクセルをベタ踏みにした時間帯もあっての17.1km/Lなので、本当の実燃費はもう少し良くなるはずだ。

総額おおむね200万円で買えるという価格と、言わずもがなの居住空間の広大さ、そして考え抜かれた機能性。昭和的感覚ではなく平成的感覚で走る限りにおいては十分以上の動力性能と、なかなか快適な乗り心地。そして言うまでもなく軽自動車ならではの維持費の安さ。さらに加えて、内外装のニトリ的なステキさ。

……これはもう「現時点では最強に近い国民車候補」と言わざるを得まい。ていうか、だからこそ日本国民にバカ売れしているわけだが。

ホンダN-BOX G・L Honda SENSINGは、非自動車マニアな皆さんには大いにお勧めしたいと同時に、マニアな各位にもセカンドカーとして、あるいは「自動車趣味をなんとなく卒業した後の一台」として、強くお勧めしたい車であった。内外装のデザインがさらにハイセンスであったなら満点に近いが、そのあたりはさすがに欧州車のほうが得意分野だろう。

全日本国民車評議会(通称:国民車会議)議長としての勝手な評価まとめは以下のとおりだ。

【N-BOX G・L Honda SENSING(FF)=149万9040円】
・車両価格:★★★★☆(お安いが、オプションによってはそこそこ高くなる)
・気持ちよく走れる度:★★★☆☆(飛ばさないなら十分)
・燃費:★★★★☆(まずまず)
・積載性:★★★☆☆(4人乗車だとキツい)
・おしゃれ度(外観):★★★☆☆(悪くない)
・おしゃれ度(内装):★★★★☆(ニトリ的な良さ)

・総合国民車度:★★★★☆

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