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ホンダ N-BOXはニトリ的ステキさで非自動車マニアを惹きつける有力国民車候補

そこそこ満足できる「ニトリ的な良さ」がある

背は高いが、軽自動車ならではの細身のボディを生かして大混雑した東京都内をスイスイ走り、この車がある程度身体になじんだところで路肩の駐車場枠に停め、外観および内装のデザインをあらためてジロジロ眺めてみる。

……なかなかイイじゃないか。

あくまでも個人的な嗜好に基づく話でしかないが、やんちゃなデザインを採用しているN-BOXカスタムの外観は、なんだか地方都市のマイルドヤンキー臭が感じられてどうしても好きになれない(すみません)。だがこちらの通常N-BOXは「シンプルで安価だが、よくできている道具」としての美しさが、自然とにじみ出ていると感じられる。

インテリアも同様だ。悪くない。もちろん150万円級の軽自動車なので「高級感」みたいなものとは無縁だが、言ってみれば「ニトリ的な良さ」があるのだ。

ニトリも今や全国に523店舗を展開しているゆえ、ほとんどの人がご存じだろう。お手頃価格の食器や寝具、カーテンなどを製造販売している企業だ。ニトリが作って売っているプロダクツは「お手頃価格」なだけあって、さすがに高級感はない。だが、食器や寝具の熱心なマニア以外は「ま、これはこれでいいんじゃないの?」と思える程度のデザイン性と質感は備えている。

マニアの人たちは「こんなの家に置きたくない!」と言うかもしれないが、筆者はあいにく食器マニアでもカーテンマニアでもないため、自宅ではそこそこの数のニトリ製品を使っている。そして実はそこそこ満足している。

N-BOXのインテリアもちょうどそんな感じだ。

筆者は自動車マニアなので、マニアとしての視点で見てしまうと「ここの質感がどうのこうの」と指摘したくなる部分がゼロなわけではない。しかし世の中の大半を占める非自動車マニアの感覚になってN-BOXのインテリアを眺めてみれば、「あら! このお値段でこのデザインと機能って、ちょっとステキじゃないかしら?」以外の感想を持ちえないのだ。

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