世界で人気高まるTCRシリーズ。ゴルフのTCRマシンは異次元の走りを見せた
掲載 更新 carview! 文:竹花 寿実/写真:竹花 寿実
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今回は、ゴルフGTI TCRの助手席に乗り込み、ホッケンハイムのフルコースでその走りを体験した。ドライバーは2017年にニュルブルクリンク24時間レースのTCRクラス優勝ドライバーであるベンヤミン・ロイヒター選手。彼がドライブするマシンの助手席には、過去にも数回乗せてもらったことがあるが、とても丁寧なドライビングが持ち味で、クルマのポテンシャルを引き出す能力に長けた、ドイツでも非常に優秀なドライバーの一人である。だからどんなに速いマシンでも、怖さを覚えたことはない。
だが、今回はちょっと違った。ゴルフGTI TCRは、市販車ベースのレーシングカーの想像を超える衝撃的な走りを披露したのである。
コースイン後の加速から脳天を打ち抜かれた。車両重量がドライバー込みでわずか1285kgと軽いことに加えて、レース用のスリックタイヤを装着したマシンは、野太く、猛獣が雄叫びを上げる様なエグゾーストノートをまき散らしながら、350PSと420Nmというスペックから想像する加速力を遥かに上回る、ロケットのような加速Gを味わわせる。コーナー手前のブレーキングも、5点式ハーネスが身体をバラバラにしてしまうのではないかと思うほど強烈だ。
コーナリング中は内蔵がよじれ、顔が歪むほどの横Gにさらされるが、クルマがバランスを崩す様子は全くない。強力なダウンフォースも手伝って、グリップ限界は相当に高い。市販車であればたとえスポーティモデルでもボディが悲鳴を上げるレベルだ。縁石を通過してもガッチリ固められたボディとシャシーが入力をバシッと受け止めている。バックストレートではあっという間に200km/hを越え、最高速度の250km/hに達した瞬間にコーナーにさしかかり、再び内蔵が飛び出さんばかりの減速&コーナリングGにさらされるのである。
マシンを降りて、ベンヤミンに感想を伝えると、「今日のドライブは、レース本番の80%くらいかな。でも迫力あったでしょ!」と笑顔で話していた。私もそれなりに速いクルマの運転経験はあるが、これほどまでに強烈な走りは初体験だ。ゴルフGTI TCRは、市販車ベースと侮ってはいけない。完全にレーシングカーなのである。
絶対的な速さでは、トップレベルのGTカーに引けを取るかもしれないが、TCRマシンはそれらに負けないダイナミックな走りを備えている。WTCRだけでなく、スーパー耐久や2019年にスタート予定のTCRジャパンシリーズでは、その異次元の走りにぜひ注目してもらいたい。
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竹花寿実(たけはな としみ):モータージャーナリスト
自動車情報ウェブサイトの編集者を経て2010年に渡独。8年にわたりドイツ車とドイツの自動車業界を中心に取材し、国内外のメディアに寄稿。2018年7月に帰国し、独自の視点でクルマとその周辺に関して発信している。
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