新型アウトランダーPHEVが3月に世界初公開。その進化をひと足先に確認した
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:三菱自動車
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:三菱自動車
アウトランダーPHEVというと、プラグイン・ハイブリッドであること、世界で最も売れているプラグイン・ハイブリッドSUVであることに注目が集まりがちだが、実はこのクルマがもつ4WDシステムも先進的なパワートレーンに負けないくらい新しく、ユニークで、魅力的なのだ。
システムの名はS-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)。ただしS-AWCは三菱の車両運動統合制御システム全体を指す言葉で、大きく分けて4種類ある。アウトランダーPHEVが採用するのは前後ツインモーター式4WD(ブレーキ制御によるAYC<アクティブ・ヨー・コントロール>付き)だ。世の中の多くの4WD車は、エンジン(フロントエンジンの場合)が発するパワーをプロペラシャフトを介して後輪(後車軸)に伝えるが、アウトランダーPHEVの場合、前車軸はフロントモーターで、後車軸はリアモーターでそれぞれ駆動するのでプロペラシャフトは不要。それぞれのモーターを個別に制御すればよいので前後トルク(駆動力)配分は自由自在だ。左右の駆動力配分はフロントブレーキを制御するAYCが担う。システムが必要に応じて内側の前輪にブレーキをかけることでクルマを曲げやすくしてくれる。
舗装路では高い速度域で試さないと実感できないAYCの効果は低μ路では絶大。低μ路では、ステアリングもアクセル&ブレーキも操作量を最小限にとどめ、操作自体も優しくすることでタイヤのグリップ力を前後左右にうまく配分すべきというのが一般論だ。けれどもブレーキ制御AYC付きツインモーター式4WDのアウトランダーPHEVの場合、過ぎたるは及ばざるが如しであるものの、ドライバーは曲がりたい方向に積極的に、大胆にステアリングを切るべきだ。なぜなら、そうすることでシステムがドライバーの曲がりたいという意思を理解し、積極的に内輪にブレーキをかけてクルマを曲げてくれるから。前後のモーターは最大のトラクションを維持すべく常時トルク配分を最適化し続ける。
前述したスーパーレスポンシブなモーター駆動と、フールプルーフなブレーキ制御AYC付きツインモーター式4WDのおかげで、アウトランダーPHEVは低μ路にかなり強い。強いというのは過信につながりやすいが、その点さえ頭に入れて慎重に運転すれば、だれでも雪上をはじめとする低μ路を活発かつ安全に走らせることができる。このクルマで雪上走行に慣れてしまったら、他に乗り換えた際に要注意。4WDでこんなに曲がるクルマは少ない。新型アウトランダーPHEVの日本デビューは今年後半が予定されている。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
トヨタの新型EV『bZ3X』に採用、エアコン送風口に「超薄型レジスタ」…豊田合成が開発
電気自動車の新たな可能性を見出す痛快BEVスポーツ。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」ヒョンデ・アイオニック 5 N
「BEVは雪道に強い」はホントか。ボルボの後輪駆動BEV、EX30でモーター駆動制御の所作を体感
「これがジャガー?」ポップな丸文字ロゴに昔からのファンはビックリ! 英国の伝統「ジャガー」が新たに目指すものとは?
角田裕毅、F1開幕戦初日は4番手好発進! しかしチームも平常心「バランスも特に問題ない。集中し続けていくだけ」
光岡『ファイナル ヒミコ』発表、17年の歴史に幕 中古車ベースで生産
キモチいいステーションワゴン!──新型トヨタ クラウン・エステート試乗記
10%の英ドライバーは故障につながる、ある単純な部品を一度も点検していない!?
バイクのある日常をテーマにしたイラスト展「HAVEABIKEDAY.Vol.7」がユナイテッドカフェ世田谷店で3/19~31まで開催!
新しい「“マイナ”免許証」まもなく交付スタート! これまでにない「カード一体化」でどんなメリットがある? 「更新が楽」「ちょっと安くなる」ことも 特徴は?
ランエボ使いが[ドイツ製スポーツカー]を20年以上も相棒にした本当の理由ってなんだ?
「フォルクスワーゲン・IDバズ カーゴ」が「フリート ニュース アワード 2025」で「ベスト スモール バン」に選出
【実際どうなの?】「WR-V」オーナーのガチな本音…コスパは魅力的。でもやっぱり“割り切り”が必要!
「ジムニー」の“進化”を大胆予想。軽、3ドアのシエラ、5ドアのノマドときたら…次はピックアップトラックで決まり⁉︎
やっと出た「エステート」にもマット塗装追加! “ザ・クラウン”でしか買えない特別仕様車は今夏発売
【やっと】「エステート」発売。フルフラットな広大ラゲッジで史上最もアクティブなクラウン…635万円から
欲しくても買えない…注文殺到で長納期化の「ランクル」や「ジムニー」。なぜメーカーは増産しないのか?
レクサス「LM」が前年比477%増と売れまくり。1500万円超の高額車をヒットさせるトヨタの“したたかさ”
“トランプ関税”で次期シビックがメキシコ産から米国産に?「アメリカ・ファースト」が日本車に与える影響とは
【1年半遅れ】今春登場の新型「ムーヴ」…HEVナシ、20万円値上げも“スライドドア採用”で一発大逆転へ
「やっちゃえ日産」よ再び! 余計なお世話は承知の上で、今必要なのはe-POWERだけじゃなくてこんなクルマ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!