乗ると印象が変わるクルマ!? 走りがキモチイイ「ZR-V」のグレード解析!
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:ホンダ技研工業 32
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:ホンダ技研工業 32
ホンダ「ZR-V」は、コンパクトSUVであるホンダ「ヴェゼル」と、ミドルクラスSUVホンダ「CR-V」の中間ぐらいとなるサイズ感の新型SUV。2022年11月に正式発表され、2023年4月21日に発売されます。
開発コンセプトは「異彩解放」。このフレーズは、ホンダいわく「ドライバーが車を自在に操ることで自信と余裕を持ち、自分らしさを解放して新たな行動を起こしてほしいという想い」が込められているとのことです。
そのエクステリアデザインは確かに「異彩」かもしれません。
ボディサイズは全長4570mm×全幅1840mm×全高1620mm。フロントからリアにかけてのボリュームが豊かで、滑らかな面が特徴の流麗なプロポーションではありますが、バーチカル(垂直)グリルはちょっと「おちょぼ口」的であり、横長でシャープなヘッドライトも、人によっては違和感を覚えるかもしれません。良い意味でも悪い意味でも「異彩」といえる外観なのです。
しかしインテリアデザインは、ほぼ完全に「良い意味での異彩」と言えるでしょうか。左右に伸びやかに広がるインパネは細部にわたって機能的かつ緻密な仕上げで、造形自体の美しさもなかなかのもの。そしてドライバーの足元からヒップポイントまでの高低差を小さくすることで、車との一体感が高いドライビングポジションが実現されているわけですが、運転席からの視界はきわめて良好。車の四隅を把握しやすい作りになっています。
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用意されるパワーユニットは2種類。中心となるのは、新開発された最高出力141psの2L直噴直4エンジンに、同184psの走行用および発電用モーターを組み合わせた「スポーツe:HEV」。こちらは従来のe:HEV以上に燃費とクリーン性能、静粛性を向上させるとともに、3L V6 エンジンに匹敵する、モーターならではの力強い加速が実現しています。
一方のガソリンモデルには、最高出力178psの1.5L直噴VTECターボエンジン+CVTを採用。こちらは2.4Lエンジンに匹敵する低速トルクがもたらすまずまずの加速と、高回転までよどみなくパワーが増大するリニアな出力特性が特徴です。
ハイブリッドモデル、ガソリンモデルともに、いわゆるスタンバイ方式ではない「リアルタイムAWD」を全タイプに設定。そしてドライブシーンによって選択が可能な「SPORT」「NORMAL」「ECON」「SNOW」という4つのドライブモードを搭載しています。
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最新世代の車ですので、当然ながら安全運転支援システム「Honda SENSING」は最新のものを全車に標準装備。
フロントワイドビューカメラは、約100度の有効水平画角を持つ広角カメラと高速画像処理チップにより、衝突軽減ブレーキなどの対象物検知精度を高めています。また前後バンパーに4カ所ずつ設けられたソナーセンサーは、近距離における外壁やガラスなどを高い精度で検知し、踏み間違いなどによる誤発進の抑制や衝突の回避に貢献します。さらにリアバンパーに内蔵されたレーダーが車両の後側方25m以内に接近する車両を検知する「ブラインドスポットインフォメーション」も全車標準装備です。
そしてホンダ ZR-Vは、走りにおいても「良い意味で異彩」を放っています。中型サイズのSUVでありながら、身のこなしはほとんどスポーティクーペのようなのです。スポーティといっても「乗り心地が硬い」という意味では決してなく(「硬い」と評価するジャーナリストもいますが、筆者はまったくそう思いません)、言葉で表現するなら「シャープだが、しなやかで快適」といったニュアンスになるでしょうか。「ドライバーのイメージどおりに走ることができるSUV」と言ってもいいかもしれません。
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2023年4月21日に発売されるZR-Vのグレードと、それぞれの車両価格は下記のとおりです。
【ハイブリッド車】
●e:HEV X(FF)|329万8900円
●e:HEV X(4WD)|351万8900円
●e:HEV Z(FF)|389万9500円
●e:HEV Z(4WD)|411万9500円
【ガソリン車】
●X(FF)|294万9100円
●X(4WD)|316万9100円
●Z(FF)|354万8600円
●Z(4WD)|376万8600円
計8グレードですが、基本的には「ベーシックなX」と「上級のZ」という2グレードのみのシンプルな構成で、そこに「e:HEVかガソリンか?」「FFか4WDか?」という違いが加わっているだけです。
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ベーシックな「X」でも装備レベルは十分といえますが、「Z」になると、さらに以下のような豪華装備が標準で加わります。
・アダプティブドライビングビーム
・後退出庫サポート
・マルチビューカメラシステム
・LEDアクティブコーナリングライト
・Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器〈ナビゲーション連動〉
・BOSEプレミアムサウンドシステム(12スピーカー)
・フロントパワーシート
・パワーテールゲートのハンズフリーアクセス機能
・本革シート
・その他
以上のなかから「おすすめグレード」を考える場合、まずは「e:HEVか? それともガソリンか?」ということを決めなければならないのですが、ここはもう「e:HEVの一択」とするべきでしょう。そう断言したくなるほど、この2モーター式ハイブリッドの出力とフィーリングはきわめて素晴らしいのです。1.5Lガソリンターボエンジンも決して悪くはないのですが、スポーツe:HEVの前では完全に霞んでしまいます。
そのうえで「Xで良しとするか、それとも上級のZにするか?」という問題についての答えは、「人それぞれの問題」としか言いようがありません。
もちろん、予算に余裕があるならZを選ぶに越したことはありません。しかしXの標準装備でも普通に十分といえば十分ですので、「自分は絶対Zだ!」と決めている人以外は、Xに好みのオプションを付けたり、Xでは選択不可のため悔しがったりしながら、「最終的な総額と仕上がり」を公式サイトのセルフ見積りで確認しながら判断するべきでしょう。
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ZR-Vのライバルとなるのは、類似するクラスの国産車ではスバル「クロストレック」がほぼ全面的に競合し、そのほかにもトヨタ「カローラクロス」、トヨタ「ハリアー」、トヨタ「RAV4」、マツダ「CX-5」あたりがバッティングします。また輸入SUVでもBMW「X1」やボルボ「XC40」には、ZR-Vに少し近い部分があります。
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このクラスのSUVというのは各社が非常に力を入れている分野ですので、上に挙げたモデルはどれもそれなり以上に魅力的であり、それぞれ“特技”みたいなものも持ち合わせています。
例えばですがクロストレックの4WDモデルは、オフロードでも使うことを考えるなら最適かもしれませんし、カローラ クロスには「まずまずの総合力を備えているのに、比較的安価である」という魅力があります。またハリアーの「都市で映える」というのも一種の特技でしょうし、XC40の「洗練されたニュアンス」にも素晴らしいものがあります。
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そのため、このクラスになると安易に「○○社の△△がやっぱりイチバン!」みたいなことは言えません。ユーザーがどんな“特技”を求めているかによって、答えは大きく変わるからです。
では、2023年4月に発売されるZR-Vの“特技”とは何でしょうか?
さまざまな特技を持っているZR-Vですが、筆者が考えるZR-V最大の特技は「とにかく舗装路での走りが素晴らしい」ということと、「すべてに微妙な違和感がつきまとっている」という2つです。
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ZR-Vの走りの良さについては、筆者だけでなく多くの人が証言していますので、これはもう事実であると思ってください。それゆえ「SUVとはいえスポーティな(しかしガチガチではない)走りを常に堪能したい」と考える人には、ZR-Vのe:HEV車はかなり素晴らしい選択肢となるはずです。
しかし世の中で「走りが気持ちいいSUV」というのは、なにもZR-Vだけではありません。そのため上記の“特技”は、ZR-Vを選択するうえで決定的な理由にはならないかもしれません。
しかしそんなときに決定的な理由となり得るのが、二番目の特技として挙げた「すべてに微妙な違和感がつきまとっている」という点です。
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ZR-Vという新型SUVは、良くも悪くも「ちょっと変わってる車」なのです。エクステリアデザインも好みはかなり分かれそうですし、SUVなのにここまで走りがいいというのも、よく考えればちょっと変な話です。
しかし、ZR-Vのそんな“ちょっと変なところ”を「逆に好ましい!」と感じるタイプの人にとっては、このSUVは唯一無二の、なんとも素晴らしい選択肢となるのです。
万人におすすめするわけではありませんが、「これ、いいかも?」と薄々感じてらっしゃる人には、全力でおすすめいたします。
<終わり>
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