コンチネンタルGT V8 走りはポルシェに匹敵
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:菊池 貴之
アウディの先進技術を持ち込んだコンチネンタルGT V8は、私の見立てはGT W12よりもベントレー本来のスポーツ性を持っていると思った。静的な捻り剛性は2万2500Nm。ホイールベースの長さを考慮するとポルシェ パナメーラに匹敵する。その結果、エンジンからの振動も少なく、ボディは素晴らしいソリッド感を持っている。
ハンドリングはフロントヘビーを感じさせないくらい軽快なフットワークを見せている。サスペンションは他のコンチネンタル・ファミリーと同様に4段階の可変ダンパーを持っているから、ハードにセットするとかなりやる気になるハンドリングだ。コーナーでスロットルを踏みつけても、660Nmのトルクは40対60の配分で前後にトルク配分され、素直なコーナーリングが可能だ。
この大きなトルクが低い回転から発生するから加速感は重厚感があり、「高級車とは世界観や性能のバランスまでもが高級」という英国流不文律を守っている。速度や性能の絶対主義だけで勝負しないところが英国流なのだ。
コンチネンタルGT V8はアウディの可変バブルリフト「AVS」を使っているので、200Nm以下のトルク領域では8気筒の半分の4気筒が休止する。ただし、止まると言っても実はピストンは動いている。4気筒で同じ出力を絞り出すと、相対的にスロットルバルブの開度を高められ、その結果ポンピングロスが低減できることが気筒休止のメリットなのだ。“排気量が半分になる”というのは間違った認識なのでご注意あれ。また、アイドルストップに関しては、ベントレーの顧客が望むかどうか検討している段階なので、技術的には可能だが、採用はしていないという。
“ベントレーはスポーツカーである”という目で見ると、ベントレーの隠れた本質が分かってくる。コンチネンタルGT V8ならスーパースポーツ級の走りに加え、気の利いたカーナビやハイレベルの英国流高級が味わえるだろう。
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