2代目「NSX」はなぜヒットしなかったのか? 理由は“意識高い系”の技術とブランディングだった
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 177
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 177
いっぽうで、期待されて登場した2代目NSXがそれほどパッとしなかった理由。その根本は志の高さがユーザーとの乖離を生み、ユーザーが付いてこられなかったことだと筆者は考えています。
志の高さとはどのあたりか。まずはハイブリッドです。2代目NSXのパワートレインはV6ターボ+モーターのハイブリッド。駆動方式はフロントをモーターとした4WDでした。2016年のスーパーカーとしては、ライバルをはるか後方へ置き去るハイテクぶりでしたね。
確かにすごい技術力です。システム出力は初代の2倍近い581㎰もあって加速は鋭いし、ハイブリッドながらエモーショナル感もしっかりある。運転すればドライバビリティの色気に引き込まれます。
いっぽうでハイブリッドだから、その性能の割に燃費が良い。つまりサステナブルなスーパーカーでした。
でも、大事なことはそういうのをスーパーカーファンが、そしてNSXファンが求めていたのかということ。
分かるんですよ。「V6+モーターでV8並みのパフォーマンス」という理屈は。でも、スーパーカーを買うのはそういうことじゃないんです。初代の時代はV6でもよかったけど、2010年代に買うならやっぱりV8がいいというのが、スーパーカーを買う人の気持ちじゃないでしょうかね。ハイブリッドを積むなら「V8+モーターでV10並み」としておけば、もっと多くの人の憧れになったような気がしませんか?
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