2代目「NSX」はなぜヒットしなかったのか? 理由は“意識高い系”の技術とブランディングだった
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 177
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 177
じゃあどうすればよかったか。
筆者が思うに、エンジンはV8でキレッキレの特性として官能性能を超磨き上げる。駆動方式は欲張らずに後輪駆動でいいから、そのかわり車両重量を軽くする。価格は2千万円オーバーなんて言わずに、なんとか1500万円くらいで。
……もし2代目がそんなNSXだったなら、もっと売れたと筆者は思います。どうでしょう?
実は世界にはそういうスーパーカーがあるわけで。そう、シボレー・コルベット。メカニズムはシンプルで軽くて、刺激的で、速くてカッコもよくて、そのうえ世界のスーパーカー相場に比べると劇的に安い。それはヒットするでしょうね、と納得ですよ。
2代目NSXの目指すのは、そのポジションだったのではないでしょうか。サステナビリティを見据えた高い意識なんて必要なくて、顧客が求めるのは感性に訴えかける刺激と安さがまず大切なんです。
ベースグレードでそれをやっておいて、追加の上位モデルとして「ハイブリッド+AWD」を用意すればみんな納得ですよ。「コルベットE-ray」のように。
というわけで、2代目NSXが広く受け入れられなかったのは「開発側の意識の高さが、NSX顧客層が求める理想とズレていたから」。それに尽きるでしょう。
もし3代目NSXが存在するならば、送り手側の押し付けじゃなくて、顧客が何を求めているかをもう少し考えて、配慮する。そうしたらきっと、みんなが欲しがるスーパーカーができるんじゃないかと信じています。
(終わり)
(写真:ホンダ)
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