70万円高くてもマツダ3を買うならスカイアクティブXで。スペックは平凡なのに欧州車を凌ぐプレミアムな世界がある
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:マツダ 4
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マツダ3には1.5Lと2Lのガソリンに加え、1.8Lディーゼルと、2Lガソリンをベースに開発したSKYACTIV-Xの4種類のエンジンが用意されている。このうち1.5Lエンジンは積極的に売るつもりがないようで、マツダはプレス用の試乗車すら用意していない。これは「すべてのモデルを知ったうえで選択購入したい」というユーザーの要望に反する方針であり、理解に苦しむ。
まあそれは横に置くとして、先日テストコースでSKYACTIV-D 1.8とSKYACTIV-G 2.0に乗った印象をお伝えすると、いずれもよくできたシャシーに遅れをとっていると感じた。決して悪いエンジンではないのだが、ディーゼルは低回転域での応答遅れが少し気になったし、ガソリンは実用域のトルクがもっとあればもっと気持ちよく走れるのになと思った。6速ATでの試乗だったが、ATが8速ぐらいあればこのあたりのフィーリングはかなりよくなるはず。次の進化のステップとしてマツダにはATの多段化を望みたい。
その点、SKYACTIV-Xはディーゼルの応答遅れと、ガソリンのトルク感不足の両方を見事にカバーしている。ATは6速だが、低回転域から素直に、遅れなく沸き上がる厚みのあるトルクは、ドライバーが望む加速を忠実に生みだす。踏み込んでから待つとか、踏みすぎて戻すとか、そういう違和感がまったくない。とくに街中レベルのアクセル操作に対する"つき"のよさは抜群だ。
Mハイブリッドのモーターアシストはごくごく限定的であり、スッと踏むと遅滞なくスッと押し出される感覚はSKYACTIV-Xのもつ高応答性によるところが大きい。そしてこの部分が、運転していて楽しいとか気持ちいいという印象に直結するのだ。そう、SKYACTIV-Xは決してアドレナリンを沸き上がらせるようなエンジンではない。もちろん、トップエンドまで回せばそれなりに速く走ることもできる。しかしそれ以上に、普段の何気ない走りのなかでの気持ちよさを味わえるのがこのエンジンの特徴である。
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