【完成の域】登場から5年「ヤリス・ノート・フィット」は今が狙い目…それぞれの特徴と“買うべき”モデルは？

トヨタ ヤリス

「ヤリス」は軽さと燃費にトヨタらしさが光る

ヤリスがトップを維持し続ける最大の理由は、「軽さ」と「燃費」というトヨタが最も得意とする技術の積み重ねにある。

「TNGA-Bプラットフォーム」による高剛性ボディと軽量設計は、単に燃費を稼ぐためだけでなく、走りの質感にも直結している。ステアリングを切った瞬間の反応のよさ、しなやかで安定した乗り心地、そして小さなボディながら高速道路での安定性。どれをとっても完成度が高い。

ハイブリッドモデルの燃費性能はWLTCモードで最大36.0km/L（グレードによる）。これは同クラスどころか、軽ハイブリッドを含む全カテゴリーでもトップだ。

また、2024年のマイナーチェンジで安全装備を刷新し、「トヨタ・セーフティ・センス」が一段と洗練された。プリクラッシュセーフティや交差点検知機能の精度が高まり、安心感が向上したのに加えて、ACC（レーダークルーズコントロール）やレーントレーシングアシストまで全グレードに標準装備されている。

一方で、リアシートや荷室はややコンパクト。ファミリーカーとして使うなら「ヤリスクロス」有利で、ヤリスは“1〜2人で乗る燃費最優先カー”として割り切るのがベストだろう。

ヤリスの魅力は、派手さではなく「使えば使うほどわかる合理性」にある。カタログスペックだけでは見えない部分で、日常のストレスを徹底的に削ぎ落とした実用車。これこそが、トヨタが培ってきた王道ともいえる「作りのうまさ」なのだ。