ティグアンがMCでミニ トゥアレグに？速攻試乗

さらに上がった燃費効率

後はなんといっても走りの上質感だ。ドアを閉め、エンジンをかけた瞬間から、独特の「シーン」とした静寂のVW流ドライビングが始まる。ゴルフもそうだが、ボディの基本的な機密性が高いのだろう。前のティグアンも静かだったが、余計研ぎ済まされたよう。

さらに加速だが、非常にキレがいい。エンジンは前と同じ2リッター直4ターボのTSIユニットで、最高出力が9ps高められて179psにパワーアップ。だが、一番感じるのはほとんどディーゼルエンジンか？　と言いたくなるほどの巨大で節度のある低速トルクで、これが乾式クラッチの7速DSGギアボックスと相まって、絶大な効果を発揮する。都内の街中を走っている限りでは、ほとんど2000rpm以上にいかないのだ。

発進からトルコンATとも、MT車とも違うスパッ！　という加速が立ち上がり、時速80kmでもう7速に入っている。しかもそこでギアは完全に繋がれていて、1500rpm前後の超低回転でも確実に加速する。これは普通のAT車にはほぼできない芸当で、同じ2リッターのBMW X1（FRモデル）の成績よりいい。重量がより重いにも関わらずだ。

そしてハンドリングだが、前から高級車のような滑らかでしっとりしたフィーリングだったが、それがさらに良くなっている。コーナリング中のボディの傾きも、車高の割に全然ないし、ブレーキのタッチも過剰なダイレクトさはなく、懐が深い。全長の短さとハンドルの切れ角の深さもあって、取り回し性も非常に良い。

本当に乗っていると、SUVであることを忘れてしまうのだ。