スライドドア化のネガはほぼナシ。“カスタム系廃止”の新型「ムーヴ」は市場に一石を投じる存在になれるか?
掲載 carview! 文:鈴木ケンイチ 38
掲載 carview! 文:鈴木ケンイチ 38
メカニズム面でも、新型ムーヴは大きな進化を遂げています。
採用されているのは、2019年から導入が始まった新世代の「DNGA」プラットフォームです。パワートレインも刷新され、走りの質が大きく向上しています。
デザインは「動く姿が美しい、端正で凛々しい」がコンセプトになっています。先にデビューしている姉妹車「ムーヴキャンバス」がキュートな路線なのに対し、新型ムーヴは“カッコよさ”を強調したキャラクターです。
最初に試乗したのは、自然吸気エンジン(最高出力52ps、最大トルク60Nm)を搭載した149万500円の「X」グレードです。走り出してすぐに感じたのは、加速の力強さでした。
スライドドア化により車重は約40kg増えていますが、それをまったく感じさせない加速感があります。個人的には、もう少しリニアなアクセルレスポンスのほうが好みですが、近年はこの加速感が市場で高評価を得ていると、開発陣は話していました。
高速走行時にもその力強さは変わりません。スピードが上がるにつれてハンドルの手応えが増し、安心感のある走行性能を感じました。
スーパーハイトワゴンよりも全高は低く、ハイトワゴンよりも重いためか、重心が低く、走りの安定感も増しているように感じました。段差などのショック吸収性も高く、フラットな姿勢を維持しながら快適に走ることができました。
続いて試乗したのは、ターボエンジン(最高出力64ps、最大トルク100Nm)を搭載した189万7500円の「RS」グレードです。こちらは、タコメーター付きの2眼メーターやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、電動パーキングブレーキなど、装備も充実しています。
当然ながら加速力はXグレードよりも上で、高速道路でも余裕のある走りを楽しむことができました。自然吸気モデルの良さに、パワーの“ゆとり”が加わる印象です。
こうした走行性能の高さは、やはり新しいプラットフォームとパワートレインの恩恵と言えるでしょう。デザインに込められた「凛々しさ」にふさわしい、しっかりとした走りを体感できました。
(次のページに続く)
>>【スライドドア化】した新型「ムーヴ」を写真で詳しくチェックする
◎あわせて読みたい:
>>【打倒ムーヴ】次期スズキ「ワゴンR」がスライドドア&電動化で真っ向勝負! 軽トールワゴン頂上対決へ
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