【初心者は要注意!】ディーラー試乗で印象に残ったクルマは…気を付けるポイントとは?
掲載 carview! 文:山本 晋也 38
掲載 carview! 文:山本 晋也 38
半導体不足やコロナ禍など、ここ数年は自動車メーカー各社が思い通りに新車を生産できる状況ではありませんでした。そのため新型車を早い時期に購入するには、実車を見る前に、メーカーの先行情報などをベースにオーダーする必要がありました。
特定のメーカーや車種は現在も納車に時間がかかっていますが、全体としてはかなり元通りになってきている印象です。つまり、ディーラーで展示車のチェックや、ナンバーのついた試乗車をテストして、購入を決めることができるようになりつつあるわけです。
実車を見ずにオーダーをすると、いざ納車されたときに「こんなはずじゃなかった…」と期待はずれになってしまうこともありますが、実車チェックができるようになれば、そうしたリスクを減らすことが期待できます。
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<ランドクルーザー 300>
とはいえ、漫然と試乗・チェックしているのでは「こんなはずじゃ…」と思ってしまうかもしれません。
大前提として頭に入れてほしいのは、展示車の静的チェックや短時間の試乗はあくまで「味見」に過ぎないという点です。味見だから本当の味がわからない、という意味ではありません。
この感覚はちょっと料理にも似ています。味が薄いからと塩や醤油を足していくうち、いい塩梅がわからなくなって、ついつい濃い味になることがありますが、新型車の試乗も往々にして、味が濃いモデル=なにか突出した機能や見た目、走りの特徴があるクルマが印象に残りがちです。
ここで言う突出した機能とは、走りの特徴かもしれませんし、ユニークなパッケージかもしれません。はたまたカーナビの画面が大きいとか、内外装の加飾が刺激的に見えたというだけで印象に残ることもあるでしょう。
自分や家族がどのような性能≒味を求めているのか整理できていれば、それに近いクルマを探せばいいのですが、どんな味が好みなのか整理できていないと、刺激が強い味つけに惑わされてしまうかもしれません。
しかし、毎日乗るクルマを選ぶのであれば、味見のときに刺激が強いということは、実際にオーナーになると短時間で食傷気味になってしまう可能性もあるということです。
たとえばファミリーカーのような使い勝手を求めているのであれば、むしろ味付けの薄いほうが、クルマが自己主張することも少なく、ニーズに合ったクルマ選びになる可能性があります。
もちろん、味見のときに印象が強いクルマは、個性的という見方もできます。その個性が自分の好みに合致するのであれば、いい相棒になってくれるはずです。
いずれにしても、短時間の試乗というのは味見だということは意識しておくべきです。
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<トヨタ プリウス>
このように書くと「モータージャーナリストも短時間の試乗していないのであれば、味見で評価を下しているじゃないか!」と言われそうですが、経験を積めば味見で全体の味付けがわかるようになるのは料理をしている方ならば理解できるでしょう。
上澄みだけ、沈んだ部分だけで味見をしてもスープ全体の味がわからないように、クルマの試乗でも、ほどよく全体を混ぜるように試乗する必要があるのですが、そうしたノウハウは経験を積み重ねないとなかなか体得できないでしょう。
一例を挙げると、スポーツモデルの試乗会で指定されたコースにある特定のコーナーを法定速度で進入したときに「特別に気持ちよく曲がれた」と感じたからといって、そのクルマがすべてのコーナーが得意だとは限りません。ステアリング特性やパワートレイン特性にもっともマッチしたコーナーを指定されているだけかもしれないからです。
交通違反にならず、周囲に迷惑をかけない範囲で、多様な走らせ方をすることで「ほどよく全体を混ぜる」ように試乗する経験値がモータージャーナリストには求められるわけです。
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<マツダ_ロードスター>
ミニバンやSUVの2列目、3列目のチェックで展示車に座って判断できるのはシート自体の出来栄えです。その段階で、クッションが薄っぺらく、お尻が痛くなるようなシートは論外かもしれませんが、クッション性がよく、サイズも十分に余裕があると感じても、実際に走ってみるとそれほど乗り心地がよくはないというケースもあり得ます。乗り心地にはサスペンションや遮音性などが大きく影響するからです。
もちろん、シートアレンジが最優先である場合は静的チェックが重要ですし、車内で子どもが着替えることのできるスペースの必要性が高い場合も同様です。
あらためてまとめると、短時間の試乗や展示車の静的チェックは、料理でいう味見みたいなものです。料理がそうであるように、経験を積めば味見によって全体の仕上がりが判断できますが、味見であるという意識が薄れると、インパクトのある味付けに全体の評価が影響されることが往々にしてあります。そこを意識しておくことがディーラーでの試乗や展示車チェックのポイントといえるでしょう。
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<レクサス LM>
写真:トヨタ、ホンダ、スズキ、日産、マツダ
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