【これが現実】ホンダが戦略変更で“ハイブリッドも”重視に。なぜ5~10年でBEV全盛時代はやって来ないのか?
掲載 carview! 文:編集部 119
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まず、これまで各社がぶち上げていた電動化計画を簡単におさらいすると、もっとも過激な「2030年までに全車BEV化」を唱えたのが、メルセデス・ベンツ、ジャガー、ボルボなどの欧州プレミアムメーカー勢。“脱炭素化に熱心”というブランドイメージを築きたい意向と、多少高価でも台数をさばける高級車ならではの事情が背景にあったはずだ。
一方、BMWやフォルクスワーゲンは「2030年までに世界販売の50%をBEV化」を掲げ、少しだけ腰が引けた印象だったが、伝統的にBMWは水素を重視してきた経緯がある。一方のフォルクスワーゲンは高級車から大衆車までフルラインナップを有し途上国でも幅広く展開しているため、完全BEV化には時間がかかると見ていたのだろう。
同じく大衆車を多くラインナップするステランティスやルノーは「2030年に欧州販売の100%をBEV化」と、規制の厳しい欧州を特別に重視する戦略だった。
米国勢に目を転じると、フォードは「欧州における販売を全てBEV化」、GMは「2035年までに販売する乗用車の全てをBEVにする」とこちらも電動化には熱心だった。
>>【最近注目のBEV】日本メーカーや欧米メーカーの最新BEVモデルを見る
もっとも、こうした計画がBEVへの実需とはかけ離れた一種の“夢物語”だったことは既に明白になっており、もっとも急進的に思えたメルセデスやボルボは、既に2030年に全車BEV化という目標をシレッと撤回済みだ。
その他のメーカーも潮が引くように目標を後退させつつある。こうした方針変更に大きな影響を及ぼしたのは、エンジン車に比べて高価になってしまうBEVの車両価格。その上、航続距離も限られているのだから、新しモノ好きのアーリーアダプター以外は、多額の補助金が出ない限り食指が伸びない。
とはいえ、ウクライナ侵略の影響などで財政が逼迫した各国は補助金を縮小せざるを得ず、結果として売れなくなってしまった。
(次のページに続く)
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