NSXに本格試乗した。看板技術のSH-AWDは諸刃の剣か?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:本田技研工業株式会社
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:本田技研工業株式会社
NSXはシート後方にエンジンがあるので荷物スペースはなく、2人で乗る際にはエンジン後方のリアエンドにあるトランクに荷物を積む必要がある。そのトランクが思いの外大きいのは好印象だ。開口部の形状もあって積むことは適わないが、横方向に広がりのある荷室形状と容量だけを見ると、ゴルフバックが収納できそうな十分な空間がある。
コクピットは適度に包まれる感覚とシートのサポート性などにより、スポーツマインドが刺激される…のだが、個人的にはサーキットで目線が自然と遠くに行くように、10mmさらに低く座れるシートの高さ調整幅があったらと思った。
逆に言えば、視点の高さに加えてエンジンが前に無い低いボンネットと、3DQ(三次元熱間曲げ焼き入れ加工)という、加工が難しい硬い鋼板を熱して曲げながら三次元整形する最新工法で細く仕上げたAピラーと相まって、前方視界や見切りが良いのが魅力だ。
乗り心地も予想を上回る快適性を確認できた。最も快適なクワイエットモードでは助手席に女性を乗せても不満は出ないはずだし、若干足回りが硬くなるスポーツモードの街中走行でも鋭い突き上げとは無縁。その背景には輸入車の高性能モデルで採用が増えている、ダンパーオイルに磁性体を添加して、磁力で減衰力を調整する磁性流体ダンパーの存在が挙げられる。日常使いの快適さと同時に高次元なスポーツ性ももたらしてくれるのだ。
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