新型スズキ「ソリオ」試乗 居住性だけでなく走りも優れた大衆実用車
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:篠原 晃一 122
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:篠原 晃一 122
と、そんなバックグラウンドを持つ新型スズキ ソリオは、実際乗るとどうなのか?
まずはシンプル系デザインの標準モデルである「ソリオ」の上級グレード「HYBRID MZ」に試乗した。
先代のソリオも決して悪い外観デザインではなかったと思うが、新型のそれは「悪くない」ではなく「……けっこうイイかも?」という感じ。具体的にはフード先端を従来型より45mm上げてフロントまわりの厚みを増し、同時に流行りの大型グリル(に見える意匠)を採用したことで存在感を増強させたわけだが、その存在感が、俗に言うオラオラ系ではない絶妙な範囲に限定されているため、いわば「上品な存在感」があるのだ。
インテリアも同様。「抜群のセンス」とは言い難いかもしれないが、車両価格を考えれば十分にハイセンスかつ上質であり、センターメーターは、それまでの「ド正面向き」から「微妙にドライバー側向き」へと変更されたため、視認性が向上している。最上級グレードのHYBRID MZのみとはなるが、新採用された「ヘッドアップディスプレイ」も、新型ソリオを安全に運行させるための大きな一助となるだろう。
パワーユニットは、競合のトヨタ ルーミーおよびその姉妹車は直列3気筒の1.0L自然吸気またはターボだが、こちらソリオは直列4気筒の1.2L自然吸気+マイルドハイブリッド(※ベーシックグレードのGだけはマイルドハイブリッド無し)。
チーフエンジニア氏いわく「力強さと同時に“静粛性”を重視するため、3気筒ではなく4気筒を選んだ」とのこと。たしかにこの直4自然吸気エンジン、必要十分以上のパワー&トルクを体感できるものでありながらけっこう静かで(もちろん4気筒であること以外にも、静粛性確保のためのさまざまな策が講じられているわけだが)、ちょっとした上質感すら感じさせる。
……と言うと「期待させすぎ」になってしまう可能性もあるか。まぁ普通の実用エンジンではあるのだが、「好ましいパワーユニット」ではあることは間違いない。一般的なマナーで運転する限りは一般道でも高速道路でも「……やっぱターボが欲しいな」とは微塵も思わず、ISG(モーター機能付き発電機)のアシストのおかげで、アイドリングストップ状態からのエンジン再始動はきわめてスムーズ。ここも、新型ソリオから「そこはかとない上質感」を感じる理由のひとつだ。
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