【なぜ“FJ”と名乗るのか？】ランクル4兄弟の末っ子だけが数字ではない理由。トヨタ「ランドクルーザーFJ」の名称に隠された70年の歴史を紐解く

FJ40（ランドクルーザー）

丸目×ショートの「FJ40」人気がその名を不動にした

しかし、さっき申し上げた通り、四輪駆動車は特殊車両であり、一般の人の愛車となる存在でもなく、AE86 が「ハチロク」と愛されているように、型式が表舞台に出るようなことはなかなかありません。

 そうなったのは、1960 年の伝説的なクロカン四躯となる「40系」の登場に始まります。

「FJ40」、「FJ43」 など、日本では特殊車両のイメージでも、海外では特に人気を集め、現在の世界中でのランクルの信頼を広めた立役者と言っていいでしょう。

その後、80年代に日本でもクロカン四躯ブームが起き、オフロード最強モデルとして「40（ヨンマル）」が大人気となります。ショートホイールベースに丸目が可愛らしいということも人気の原因でしょう。

その他にも、「FJ55」、「FJ60」、「FJ80」といった具合に、F型エンジンのランクルは受け継がれていきます。

時代とともに、F型エンジンはその役割に幕を下ろすこととなり、FJ の型式を持つランクルは新車ラインアップからはなくなっていきますが、FJの称号はランクルの代名詞ともなったのです。