【間もなく発売】レクサス「GX」に“一足早く”試乗。総合力は「LX」以上…懸念はやはり供給体制
掲載 carview! 文:山本 シンヤ/写真:トヨタ自動車 105
掲載 carview! 文:山本 シンヤ/写真:トヨタ自動車 105
シャシー系は基本素性に優れる「GA-Lプラットフォーム」+強化された車体の組み合わせに加えて、専用セットの「AVS(電子制御ダンパー)」、「EPS(電動パワーステアリング)」、「E-KDSS(前後スタビライザーを電子制御するシステム)」と、トヨタ/レクサスの本格オフローダーに与えられた武器を全て盛り込んでいる。
基本的にはグローバル1スペックだが、タイヤのみ日本の法規対応のために265/70R18のオールテレーン(TOYOオープンカントリー)から265/65R18のオールシーズン(ダンロップ・グラントレック)に変更されている。
その走りは、操舵応答やクルマの動きにボディオンフレーム特有のダルな所をLX以上に感じないレベル。
穏やかだがダイレクト感のある操作系と、無駄なロールを抑えながら4輪を上手に使って綺麗に旋回するコーナリングの様は、下手なモノコックのクロスオーバーSUVより優れており、このクルマがリアルオフローダーであることを本当に忘れるオンロードのフットワークと言っていい。その結果、実際に走らせていると感覚的にはより小さく/より軽く感じたほど。
この辺りは、低重心&重量バランスに優れる基本素性に加えて、E-KDSSやAVSなどの制御モノの相乗効果、更にはLXとは異なるGXの走りの味付け(LXはゆったり、GXは俊敏)も効いているはず。ちなみにタイヤ変更は舗装路を走る上ではいい方向に効いているようで、北米仕様に対して各部の薄皮を2~3枚剥いだかのようなスッキリした精度を実感した。
乗り心地は、入力が優しくショックをスッと抑えて無駄な動きを出さない絶妙なセットアップになっているが、細かい凹凸が続くようなシーンではバネ上が落ち着かずヒョコヒョコした動きが僅かに残るのが気になった。このあたりはハンドリングとは逆にタイヤ変更が悪い方向に効いてしまったと予想する。
総じて言うと、デザインや走りに加えて、自分事になれる雰囲気も含めた総合力の高さはLX以上で、レクサスSUVシリーズの中核を担う存在と言っていい。
GXの日本導入でレクサスは同サイズの本格オフローダーを2車種持つわけだが、見た目/走りを含めてフォーマルなLX、アクティブなGXと各々の「役割」は明確なので心配無用。これもある意味“群戦略”と言える。
ただ、一つだけ心配なのはLXと同じく供給面で、欲しい人がちゃんと買えるような体制をシッカリと築いてほしい。
(終わり)
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