「次期スープラ」開発は共同か独自か？ スポーツカー受難の時代にトヨタに残されたリアルな選択肢の中身

トヨタ スープラ

BMWやスバル、マツダと共同開発の可能性も

前出のある業界関係者は、次期GRスープラの方向性について、あくまで個人的な想像の域としつつも、次のように私見を述べます。

「GRスープラで実現したBMWとの共同開発という取り組みは、両社にとって一定の成果をもたらしたと思います。

しかし、それは同時に、トヨタほどの自動車メーカーであっても単独でスポーツカーを開発することは難しいということを示唆しています。

そうした状況は、おそらく今後も大きく変わることはないため、トヨタとしては業務提携関係にあるBMWを引き続き頼る可能性は否定できません。

一方、現在のトヨタとBMWの業務提携はスポーツカーの共同開発に関するものではなく、おもに燃料電池車（FCEV）に関するものとなっています。

そのため、BMWをパートナーとする場合には、次期スープラはFCEVの技術を用いることが予想されます。

これが実現すれば、次世代のスポーツカーとして大きく注目されることは間違いありません。

とはいえ、FCEVのスポーツカーの開発が一筋縄ではいかないことは言うまでもなく、やや現実味に欠けるのも事実です。

次に考えられるのは、『GR86』を共同開発した実績をもつスバルや、2017年以降資本提携の関係にあるマツダをパートナーとするケースです。

ただ、いずれも魅力的な組み合わせではあるものの、スバルやマツダ側のメリットが見えづらいという大きな課題があります」