日本復活のハイラックスは世界中の現場で鍛えられた基本性能の高さが強み
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:菊池 貴之
試乗の合間に、トヨタで商用車やSUVを担当するCV Companyの開発陣に話をうかがった。なかでも興味深かったのは、ハイラックスに関しては最もタフな環境で使われる性能をまず確保してから、快適性や気持ちの良い操縦性を評価するという点だ。つまり、人の生死にかかわる性能が第一なのだ。クルマの快適性を表す言葉に「NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)」というものがあるけれど、清水和夫さんの「NVHが悪くても人は死なない」という名言を思い出した。
ハイラックスの場合、たとえば南米では原野のような場所をほぼ速度無制限で突っ走るような使い方をするという。あるいは、カタログに記されている最大積載量500kgをまったく無視して荷物を積むような使われ方もされる。
そんな使い方にも応えて、なおかつ耐久性を維持するように作られたのがハイラックスというモデルなのだ。ご存じのようにSUVとはスポーツ・ユーティリティ・ヴィークルの略で、サーフィンやキャンプなどのアウトドアスポーツを楽しむ用途に適したクルマだ。けれどもハイラックスの場合は、SUVはSUVでも本来的には仕事・ユーティリティ・ヴィークルなのだ。
したがって、広大な荷室が空っぽの状態で路面の悪い所を通過して「ドスン」という衝撃を感じたのはある意味で当然。燃費が悪くなることなどはひとまず措くとして、荷室に重しを積んだほうが乗り心地はしっとりするとのことだ。
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