「オールシーズンタイヤ」で本当に雪道大丈夫…? グッドイヤーの最新作で雪山に行ってみた
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 62
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 62
オールシーズンタイヤは、冬にも使えるサマータイヤであり、夏にも使えるウインタータイヤだ。欧米では以前からタイヤのいちジャンルとして定着しているが、冬季の路面状況が厳しく、本格的なスタッドレスタイヤの普及率が高い日本では、最近まで乗用車向けのオールシーズンタイヤはほとんど流通していなかった。
冬季の道路環境が厳しいことで知られる日本だが、毎冬降雪があったり凍結したりする地域ばかりでもない。万一に備えて毎冬スタッドレスタイヤを装着するものの、シーズンに一度もその真価を発揮させないままサマータイヤに戻した経験を持つユーザーも少なくないはずだ。
ユーザーはスタッドレスタイヤ装着がある種の保険だと頭では理解していても、もったいないと感じてしまうのが人情というもの。
東京都在住の私自身がまさにそう感じていた。数年前、グッドイヤーが導入した「Vector 4Seasons(ベクター4シーズンズ)」を装着したことで、その“もったいない感覚”から完全に解放されたのだ。
冬を除く3シーズンでサマータイヤと同等の性能を享受し、そのまま冬を迎え、ちょっとした積雪路面に出くわしても問題なく走行できたという体験を何度かして以来、まさに自分の(ようなユーザーの)ためのタイヤじゃないかと気に入った。
“どっちつかずなんじゃないか?”という装着前の心配は、今では“いいとこどりってあるんだ!”という感想に変わった。
厳密に言えば、オールシーズンタイヤはサマータイヤに比べ、ロードノイズがやや大きい。特に高い速度域で高周波の「シャー」という音を発するし、路面をグリップする絶対的な力は十分だが、ステアリングを切った際の反応はサマータイヤほどシャープではない。
ただしそれらは、よしこれから比較するぞ! と注意力を高めて運転すれば気づくレベルであり、“フツー”に運転していればほぼ気にならないレベルだ。冬タイヤや規制が出た区間でも走行可能なタイヤでありながら、年に2回のタイヤ交換の手間が減り、コストを抑えられるという恩恵の方があまりにも大きい。
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