中国に活路を見出したVWフェートンの後継車フィデオン
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
今回、紹介する「フィデオン(PHIDEON=輝昴)」はこうした意味で画期的なニューモデルである。その名前「輝昴」という造語からはVWブランドの最上級モデル「フェートン(PHAETON=輝騰)」を思い起こすかもしれない。「フェートン」はギリシャ神話に登場する太陽神「ヘリオス」の息子で、同じく光に関係するところも面白い。
2002年、フォルクスワーゲンはラグジュアリー・サルーン・セグメント進出を狙ってフェートンを発売した。全長5メートルを超える4ドア・3ボックス・リムジーンで、フォルクスワーゲンは世界市場に2万台/年のフェートンを出荷しようと目論んだが、何年経っても欧州の販売台数は年間5000台止まり、ここ数年に至っては2000台以下であった。頼みの綱のアメリカも、2003~2007年に販売された累計台数でようやく3000台を超えたという有様だ。
やはり「メルセデス・ベンツ Sクラス」や「BMW 7シリーズ」、そして同じグループの「アウディ A8」、さらにはジャガーやレクサスの君臨する市場に食い込む事は至難の業だったのである。そして2008年に発生したリーマン・ブラザーズの破綻による経済恐慌で計画は挫折してしまった。
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