【日本車か外車か問題】“輸入中古車評論家”を自称していた自動車ライターが「欧州車崇拝」をやめた理由

BMW 3シリーズ ツーリング（2020年12月撮影）

日本の道路を走るのに適しているか否か

F31型BMW 318iツーリングは大変素晴らしいステーションワゴンだったが、あくまでも200km/h以上、つまり「180km/hぐらいで巡航している大衆車の左側車線を、220km/hで追い越していく」というドイツの速度世界においてベストと感じるセッティングになっているため、60km/hや100km/h程度でとろとろ走らせると、ステアリングやサスペンションなどのすべてを「重くて硬くて、そしてオーバースペックでもある」という具合に感じてしまう。

それはまるで日本の小さなマンションにアメリカ製の巨大冷蔵庫を設置するようなもので、「スペックはすごいけど、正直扱いづらい……」という結果になってしまうのである。

もちろんそれでも「いや自分は欧州車のほうが断然いいと思う。国産車を買うつもりなど毛頭ない」という人はいらっしゃるだろうし、それはそれでひとつの考え方として尊重されるべきだ。

特に近年のプジョー車は走りが本当に素晴らしく、なおかつ高性能ドイツ車で顕著な「重さ感と硬さ感」のようなものもないため、かなり素敵な選択肢であると思っている。

それはそれとして、「でも、なんだかんだで欧州車（特にドイツ車）のほうが国産車よりも高性能で高機能なんだよね？」という今さらな思い込みがもしもあったとしたら、そこは取り払っていただきたいというのが本稿の主旨だ。

日本車を含む世界中の車をフラットな目線で眺めることができれば、あなたの車選びはもっと楽しく、もっと素敵になっていくだろう。

（終わり）

（写真：市健治、スバル）