価格、デザイン、走り、乗り心地…「CX-60」オーナーが「CX-80」に乗って嫉妬したワケ
掲載 更新 carview! 文:工藤 貴宏/写真:篠原 晃一、マツダ 42
掲載 更新 carview! 文:工藤 貴宏/写真:篠原 晃一、マツダ 42
トランスミッションはPHEVも、無段変速ではなく8速AT。しかもトルコンレスでダイレクト感が高いことも、運転する楽しさに繋がっている。
ちなみに当初は異音やギクシャク感(すべての車両ではなく一部の個体だけに発生していた)が伝えられたATだが、幾度もの制御プログラムのバージョンアップで現在はすっかり改善されている。これは新車だけでなく、すでにオーナーの元にあるCX-60にも購入後のサービスキャンペーンなどで反映済みだ。
そのうえで、ハンドリングだっていい。
SUVでもいろんなキャラクターや得意分野があるけれど、CX-60に続いてCX-80もやっぱり曲がるのが楽しい。ハンドル操作に対する車体の動きが素直だし、旋回中はグイグイ曲がっていくのが心地いい。峠道に差し掛かると、まるで水を得た魚だ。大きくて重いSUVなのにこんなに峠道を楽しめるなんて、運転好きとしてはたまらない。
CX-80はCX-60に対してサスペンションの味付けが変更され、絶対的なロール量は増えている。しかしロールスピード自体は抑えられているので、ロール量の増加はサーキット走行など日常の水準を超えた領域でないと感じないだろう。少なくとも、筆者は約200キロの公道試乗で感じることはなかった。
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ところで、CX-60で賛否両論を巻き起こした乗り心地はどうか? まずはこのCX-80で、CX-60に対してどこを変えたのから説明しよう。狙いを端的に言うと「バネレートのダウンで入力の衝撃を抑えつつ、ダンパーの減衰力アップで振動を素早く抑える」だ。
CX-60からの変更内容を具体的に言うと、リヤスタビライザーを外したうえで、リヤサスペンションのバネレート(パワートレインにより異なる)をダウン(絶対的ロール量増加)。そして前後ともショックアブソーバーの減衰を高めている。さらにリヤはバンプストッパーを短くしてサスペンションストローク量の拡大に対応するとともに、クロスメンバーのブッシュの取り付け方向を変えて入力時の動きの方向を変化させた。
もちろん、サスペンションの変更に合わせて、パワーステアリング、KPC(旋回時に内側の後輪に軽くブレーキをかけて車体姿勢を安定させる機能)、そして4WDやDSC(スタビリティコントロール)の制御も変更。ハンドリングと乗り心地のバランスを突き詰めている。
(次ページに続く)
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